言論外交の挑戦

有識者アンケート「北朝鮮非核化の出口シナリオを考える」

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⇒ 言論スタジオ「北朝鮮非核化の出口シナリオを考える」


完全な非核化の実現については、
「期待しているが相当時間がかかると思う」との回答が約4割で最多に

 6月12日、米朝両国は朝鮮半島での永続的かつ安定した平和体制の構築に向けて共同で取り組むこと、北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化向けて努力することにコミットするなど、4項目について合意した。しかし、会談から1カ月以上が経過しても非核化は遅々として進んでいない。そこでまず、現時点で北朝鮮の完全な非核化は実現すると思うかを尋ねた。

 その結果、「期待しているが相当時間がかかると思う」という回答が39.4%で最も多い。「期待している」の4.9%と合計すると4割以上が期待を維持していることになる。

 一方、「期待できない」が21.1%となり、「そもそも期待していなかった」の21.8%と合計するとこちらも4割を超え、有識者の見方は分かれている。

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金正恩氏の非核化に向けた意思については否定的な意見が半数を超える

 次に、現時点で金正恩氏に「完全な非核化」に向けた意思があると思うかを尋ねた。
これに対し、「ないと思う」(31%)、「初めからなかったと思う」(25.4%)の否定的な見方の合計が半数を超えている。もっとも、「あると思う」と金正恩氏を信用する有識者も30.3%と3割以上存在している。

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非核化プロセスが10年以内に完了すると予測している有識者は4割を超える

 次に、北朝鮮の非核化プロセスには、どれぐらいの時間がかかるか、その見通しについて質問した。

 その結果、「そもそも非核化プロセス自体難しい」という見方が34.5%で最も多い。ただ、トランプ大統領の任期が終わる2021年である「3年後」と回答した有識者が9.9%と1割程度見られる。そして、この「3年後」と、「5年後」(13.4%)、「10年後」(16.9%)を合計すると、10年以内に完了すると予測している有識者は4割を超えることになる。

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「非核化が平和プロセスの前提であるべき」との回答が4割を超える

 北朝鮮はアメリカに対し、非核化に向けた措置よりも朝鮮戦争の終結宣言を優先させるよう繰り返し求めている。そこで、「平和プロセス」と「非核化」の関係について尋ねた。

 これに対しては、「非核化が平和プロセスの前提であるべき」という回答が45.1%で最も多く、「平和プロセスを非核化の前に進めるべき」の14.1%を上回っている。ただ、「同時に進めるべき」も33.8%と3割以上ある。

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六者会合の再開については、賛成するとの回答が4割を超えて最多

 続いて、北朝鮮の非核化プロセスを進めるために、2008年12月の首席代表会合を最後に中断している六者会合(六カ国協議)を再開させるべきかを質問した。

 その結果、「そう思う」が43.7%で最も多い。ただ、「そう思わない」を選択した有識者も35.2%いる。

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非核化の目途が見えるまでは経済制裁継続すべき、との回答が6割を超える

 次に、北朝鮮への経済制裁についての考え方を聞いた。

 その結果、「非核化をすると言っている以上、目途が見えるまでは経済制裁継続するべき」という回答が61.2%で突出している。また、「非核化のプロセスが見えない以上、経済制裁をより強化すべき」が21.1%となり、この2つを合計すると有識者の8割以上が制裁の現状維持以上を望んでいることになる。「非核化をすると言っているので、経済制裁を緩和するべき」は5.6%にすぎなかった。

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北朝鮮の経済開発に、日本は「加わるべき」との回答が約半数

 文在寅政権の「朝鮮半島新経済地図」構想など、北朝鮮の経済開発について様々な議論がある。そこで、こうした議論に日本も加わるべきだと思うかを尋ねた。

 その結果、「加わるべき」が49.3%と半数近くなり、「加わるべきではない」の16.9%を大きく上回っている。ただ、「現時点では判断できない」と慎重な見方も26.1%ある。

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平和統一後の在韓米軍について、「必要」との回答が6割に迫る

 最後に、朝鮮半島が平和統一された後の在韓米軍の必要性について質問した。

 この点、「必要だと思う(「どちらかといえば」との合計)」は59.8%と6割近い。ただ、「必要ないと思う(「どちらかといえば」との合計)」も33.8%と3割を超えている。

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調査概要

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