「白紙委任はしない」ことこそ、日本の民主主義をつくっていく上で最も重要なこと

2012年10月26日

土居丈朗氏(慶應義塾大学経済学部教授)

 私たちは政治家に白紙委任はしない、という言論NPOの呼びかけに私も賛同します。

 政治不信の1つの表れとして、投票率が低いという話があります。しかし、私は、それは間違っていると思っています。どういうことかと言うと、棄権をするときには、もちろん色々な思いを込めて棄権をするのかもしれませんが、棄権をするということは、政治家に不信感を突きつけるということにはなっていないわけです。その時々の投票した人の多数派に全権委任してしまっている、ということで本当にいいのでしょうか。

 むしろ、棄権はしない。自らの意見をきちんと表明する、特に、この政治家ならば将来を託せる、と思える人を何とか色々な情報を得ながら選んで、その人に投票するということをしていくことを通じて、初めて、政治家にきちんとモノが言える。そういうことになるのではないかと思っています。

 そういう意味では、「政治家に白紙委任はしない」ということは、これからの日本の民主主義をつくっていく上でも重要だと思います。

土居丈朗氏(慶應義塾大学経済学部教授)
 私たちは政治家に白紙委任はしない、という言論NPOの呼びかけに私も賛同します。
政治不信の1つの表れとして、投票率が低いという話があります。しかし、私は、それは間違っていると思っています。どういうことかと言うと、棄権をするときには、もちろん色々な思いを込めて棄権をするのかもしれませんが、棄権をするということは、政治家に不信感を突きつけるということにはなっていないわけです。その時々の投票した人の多数派に全権委任してしまっている、ということで本当にいいのでしょうか。