北京から報告です

2008年7月24日

 北京での1日目が終わりました。今日は、大使館や、対外友好協会の陳昊蘇(ちんこうそう)さん達と会ったんですが、そこで感じたことは、日中関係はかなり改善してきたということです。議論の中で、日中間の課題に向きあい、解決するような知的な交流のレベルをこの数年の間に上げることが重要だということを、日中の多くの人が思っていることを知りました。僕たちのフォーラムが他と違う点は、交流や友好ではなく、今の日中関係でネックになっていることを真剣に議論し、話し合う対話の舞台を作り上げたということです。そういう意味で、「東京-北京フォーラム」が非常に重要だという認識を多くの人たちが共有し、また期待されていることを痛感しました。現在、オリンピックや地震の対応もあり、中国側は要人の渡航制限をしています。にもかかわらず、中国側からは大規模な訪日団が組まれようとしています。このフォーラムは、両国民に対して議論の内容が全て公開されます。両国の国民が、日中間やアジアの未来について考えてくれるような判断材料を提供したいと思っています。

  「東京-北京フォーラム」は、05年の反日デモという最も困難な時に民間の対話が重要だということで立ち上がりました。危機の中から生み出されたこのフォーラムが、将来に向かってどう発展していくのか、ということを考える時期にきているのかなと思っています。今年は東京で開催する年ですが、年に1回東京と北京で交互にやるよりも、お互いが議論のチャネルをもっと多様化し、継続的に行うため、年に数回できないかという意見もあります。年に1回やるのも大変なので、すぐに実現できるとは思いませんが、この対話の舞台をどう発展させるのか、僕も真剣に考えなければいけないと思いました。

 現在の中国は、オリンピックがすぐそこに迫っていて、街にはボランティアの人たちの姿が見られます。車の制限もあり、道路もかなりスムーズに移動できます。オリンピック終了後のフォーラムまで残り60日もなく、時間との戦いです。準備はこれから本番ですが、日本側の主催者として何としても成功させないといけないと改めて感じました。

 明日、カウンターのチャイナデイリーと議論して、本格的な準備の打ち合わせをします。そこで意思統一をして、それをベースに東京できちんとした議論づくり準備を始めなければいけないと思っています。

 以上、北京から工藤でした。