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【東京大学新聞】 各界有名論者がWEB上で白熱議論 「言論NPO」に迫る

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2002/6/11 東京大学新聞

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 昨年11月、WEBサイト上の議論を中心とした活動を行うNPOとして、「言論NPO」(代表・工藤泰志氏)が立ち上がった。将来的には「政策提言を発信できる場」(代表工藤)になることを目指している。現在、言論NPOは、若い世代に対する積極的参加の呼びかけに力を注いでいる。今回、言論NPOの活動に迫りながら、彼らが若い世代に何を期待しているのか探った。(取材・構成 小林宏行)

NPOという組織形態をとった理由は、「一ロで言えば『質の維持』」と代表工藤は語る。既存マスメディアは、売れ行きにとらわれ、長期的視点を欠いた論調や表面的な批判に陥ってしまうなどという問題点がしはしば指摘される。言論NPOは、そうした問題を意識して、深く掘り下げた議論を構築していくことに、自らの存在意義をおいている。そのために商業ジャーナリズムと明確に一線を画す非営利である必要があったのだ。また、政財界・学界の論者が個人の資格で議論を進めていく場を提供するためにも、しがらみの少ないNPOという形態が適切だったこともある。

言論NPOの活動を支えているのは、会員組織。現在400人が会員として参加している。会員は会費を払って、言論NPOの様々な活動に参加している。現在、言論NPOの主な活動は、WEB上での議論、雑誌の発行、フォーラム・シンポジウムの三つからなる。

活動は、まずWEBサイトから始まる。2週間に一度のペースで議論テーマを決め、各界著名人の具体的な政策提言、論文、討論を載せる。また、会員の意見を集め、その意見を実際の政策当事者にぶつけるなどの活動も行う。そして、議論をまとめて、およそひと月に1回のペースで雑誌『言論NPO』に掲載する。

また、議論を通じて見えてきた方向性を、政策提言として、政策フォーラム・シンポジウムを自ら開催し、発信する。「最終的な活動目標は、議論を深めて日本の政策形成に何らかの影響を与えること」と代表工藤は語る。

実際、議論の形成過程をしっかりと伝える言論NPOならば発言をする政策当事者もいるという。既存メディアは、とかく異なる主張を持つ論客の対立点に焦点をあてがちで、共通点や合意点にあまりふれることはない。しかし、言論NPOはむしろそうした点を大切に扱っている。「議論の過程を大切にして、共通点、対立点をはっきりさせていかなければ、何も生まれてきません」(代表工藤)。


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言論NPOの活動や理念について簡単に紹介してきたが、その根底にあるものは「いかに皆が当事者意識を持つか」(代表工藤)という言葉が的確に示している。単純な首相に対する支持・不支持のみの「人気投票」的な世論調査を行う従来のマスコミとの違いを言論NPOは強調する。論客陣の議論を提示することで、何が今日本で問題なのかを浮かび上がらせ、一般市民が意見を述べるための判断材料を提供する点で、言論NPOの果たす役割への各界の期待は大きい。

代表工藤は、このような活動に、大学生などの若い世代が積極的に参加して欲しいと語る。実際のWEBサイト上での発言者は、現職の大臣や一線で活躍する経済人たちが目立つ。しかし、将来的には若い世代が、国を支えていく当事者となる。今からこうした場に参加して、「当事者意識」を養うことを、言論NPOは若い世代に期待しているという。

代表・工藤泰志氏インタビュー
若い世代よ、挑戦を
言論NPOでは、具体的にはどのように、若い世代と関わっていこうとしているのでしょうか。

将来的には、言論NPOのサイト上で学生議論の場を設けたり、大学対抗の政策コンテストを行ったりしていこうと考えている。その輸の中に現在の有識者が加わって、意見交換ができるようになればいいなと思う。各界の一線で活躍している人たちは、若い世代の声を聞きたい人がたくさんいるからね。

彼らは、若い世代が主体者にならなければ、日本の未来は暗くなると考えている。だから若い世代の人たちは、言論NPO、さらには日本の未来設計にかかわるような場所に積極的に参加し、発言をしていって欲しい。

若い世代にそうした場を提供しようと働き掛けるのはなぜですか。

昔の日本は、ガバナンス(統治)の力が強かったので、自然と若い世代はそれに反発し、今後の日本のあり方などを考えていた。しかし、政治不信や官僚に対する信頼の失墜などにより政府が弱くなりすぎた現在では、若い世代は自分たちの問題として将来に取り組まなくてはいけなくなった。崩れた権威にしがみついたり、傍観者的な議論になったりすることに、若い世代が「白け」ているのはわかるが、自分たちが挑戦することが日本の将来を決めるとしたら、これほど面白い時代はない。しかも、現在の日本の状況は、明治維新以来の変革期にある。発言できる環境は今まで以上に恵まれている。そうした舞台に参加する人材がどんどん出てきてほしい。

実際には、大学生はどのように、工藤さんが言う「当事者意識」を持っていけばよいのでしょうか。

まず、大学時代は決してモラトリアムではないと考えないといけない。だから、いろんなことにどんどん挑戦すべきだと思う。将来、何かを発言するときにも、具体的な経験に基づいていると説得力を持つしね。政治運動、ボランティアなど、なんでもよいから参加することが大切だ。

学生が語る言論NPO
最大の魅力はジャーナリズム
東京大学社会情報研究所教育研究生の小林薫さんは、昨年12月より、アルバイトとして言論NPOで働いている。社会情報研究所の授業で海外にNPOジャーナリズムがあることを知り、日本でも同様のジャーナリズムがないのかインターネットで探している最中に、言論NPOを知ったという。

小林さんの現在の主な仕事は、WEBや雑誌に載せる原稿の校正作業。将来的には、「言論NPOをボランティアがたくさん集まってくるような魅力的な組織にするアイデアをたくさん出していきたい」と抱負を語る。

若い世代から見た言論NPOのイメージを聞いたところ、「ここの最大の魅力は、NPOでジャーナリズムをやっていることです。そこにやりがいとか面白さがありますね」と答えてくれた。

言論NPO最近の活動
WEB、雑誌両者が活動の柱
6月7日発売の『言論NPO』最新号では、「日本の税制改革を戦略化する」と題して税制改革を取り上げている。石弘光・政府税制調査会会長と本間正明・経済財政諮問会議議員の特別対談「税制改革の我々の共通認識は何か」が目玉企画となっている。また、税制改革の他に、政党政治も今号のもう一つのテーマとなっている。 雑誌に掲載されている対談、寄稿、座談会、インタビューは全て、5月にWEB上の『言論NPO』でも掲載されていたものをまとめたものだ。

WEB上の読者と雑誌の読者は必ずしも同じではないと考え、言論NPOでは、両方の媒体とも活動の柱としている。
 

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