森 民夫

森 民夫氏発言

言論NPOの活動に期待すること

 長岡市は2004年に中越大震災で大きな被害を受けましたが、復旧の段階を過ぎて今は創造的復興に向かって努力を重ねているところです。また、本市は、この震災を経験し実に多くの教訓を得ました。そこで、教訓を広くお伝えすることはお世話になった方への恩返しと考えて活動しております。2008年の中国四川大地震の際には、北京市と四川省で復興支援のお話をさせていただきました。一方、中国からも復興視察団延べ約200人が本市で勉強されるなど中国との交流を深めております。

 そのような折、言論NPOさんから、「第5回北京-東京フォーラム」への参加をお声がけいただき、以来、微力ながらお手伝いをさせていただいております。昨今の両国関係は難しい局面もあり、このフォーラムによる民間を中心とした活動は、両国の関係をゆるぎないものにする意味で、益々重要になっていくものと考えております。

 本市は、市民協働のまちづくりを標榜しNPO活動を重視しています。それは、行政には困難な壁であっても、時にNPOは易々と乗りこえる力を持っているからです。混沌とした時代にあってNPOの役割は増すばかりです。言論NPOにおかれては、これまで以上に時代を切り開く議論や提案に、大きな力を発揮されますようご期待申し上げます。

森 民夫
全国市長会会長、長岡市長


1975年建設省入省。都市・住宅政策や東京ドームの建設計画に携わる。1999年長岡市長就任、市民協働を掲げた草の根の選挙で激戦を制す。現在3期目。2007年全国市長会副会長、2008年「せんたく」世話人・幹事、2009年全国市長会会長。現在、「市民力」を生かし市民協働のまちづくりを実践、地方自治の現場から地方分権を推進している。