武藤 敏郎

武藤 敏郎氏発言

 言論の自由が民主主義の基礎であることは言うまでもありませんが、成熟した社会では「言論の質」が極めて大事です。

 最近のメディアにおいては、極端な主張、異端の見解、時流に迎合的な発言が横行しているような気がしてなりません。

 情報が過剰な現代において、一般国民一人ひとりが、様々な課題について客観的な判断を行なうことは容易ではありません。国民は信頼できるオピニオンリーダーを求めています。言論NPOには、日本のオピニオンリーダーの役割を担って欲しいと思います。言論NPOは言論の質を高めることがわが国の民主主義の質を高めることになるという気概をもって、一層活発な活動を展開することを期待します。

武藤 敏郎
株式会社大和総研理事長、前日本銀行副総裁


1943年生まれ。埼玉県出身。 東京大学法学部卒業後、66年に大蔵省(現財務省)に入省。 97年に大臣官房官房長、99年に主計局長、2000年に大蔵事務次官に就任。 2003年より日本銀行副総裁に就任。08年3月退任後、同年6月に東京大学先端化学研究センター客員教授に就任。 同年7月より㈱大和総研理事長に就任し、現在に至る。