下村 満子

下村 満子氏発言

 言論NPOの活動には、「東京―北京フォーラム」を中心に参加させていただいており、もう5年以上になります。

 靖国問題を巡って日中関係が最悪な状態に陥った小泉政権時代に、勇敢にも、長期的な展望に立った壮大な構想を抱いて「東京―北京フォーラム」をスタートさせた、その心意気に打たれ、非力ながら、出来ることで協力しようと思ったからです。特に、同じジャーナリストとして、工藤泰志代表の純粋な情熱、志、夢に共鳴しています。また、「言論NPO」という魅力的な名前に惹かれたこともあります。

 私の期待と希望としては、せっかく「言論NPO」という明確なコンセプトを打ち出しているのですから、もう少し「言論」「ジャーナリズム」「メディア」そのものに関する議論、論争、活動にチャレンジしていただきたいです。最近のジャーナリズム界、メディア界の現状には大変危機感を抱いているので。

 ジャーナリズムは社会のインフラみたいなもの。ジャーナリズムが健全でなければ、民主主義は成り立ちません。ジャーナリズムは権力をウォッチし、チェックするのが重要な役割といいますが、その第四の権力、メディアもまた厳しくウォッチされ、チェックされるべきです。言論NPOは、それに最適な組織だと思います。


下村 満子
ジャーナリスト、元「朝日ジャーナル」編集長、前経済同友会副代表幹事

ニューヨーク大学大学院修士課程修了。朝日新聞社などを経て、フリージャーナリスト。