日本の将来を提言する

「財政健全化計画を評価する」有識者アンケート

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調査の概要

 言論NPOの活動にこれまで参加していただいた全国の有識者約6000人を対象に、2015年
7月2日から1日間の期間でアンケートの回答を依頼し、回答のあった111人の回答内容を分析
した。


回答者の属性

※各属性で示されている数値以外は無回答の割合。この頁以降、数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%とならない場合があります。


今回の財政健全化計画では、目標達成に向けた展望が描けていないとの回答が多数

 衆議院解散の折、2020年度の財政健全化目標について「来年の夏までに、その達成に向けた、具体的な計画を策定」する旨、約束し、2014年の衆議院総選挙の際の政権公約で、「2020 年(平成 32 年)度における、国・地方の基礎的財政収支の黒字化目標の達成に向けた具体的な計画を来年の夏までに策定します」という公約を掲げていました。その後、6月30日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針 2015(骨太の方針)」で財政健全化計画が示されました。

 そこで、今回の財政健全化計画で、2020年度の黒字化目標の達成にむけた展望が描かれたかを尋ねたところ、「描かれていないと思う」(「どちらかといえば描かれていない」を含む))との回答は、58.5%と半数を超えました。また、「そもそも財政再建は難しい」との回答も15.3%にのぼり、現状の財政健全化計画に否定的な意見が大半を占めています。

 一方で、「描かれたと思う」(同上)との回答は19.8%にとどまりました。



骨太の方針で示された2つの目安の達成は両社とも困難

 今回、閣議決定された「骨太の方針」では、財政健全化における2018年度までの中間目標(目安)として、(A)2018年度のプライマリーバランスの赤字幅を国内総生産(GDP)比で1%程度にする、(B)一般歳出の総額の実質的な増加を、これまで3年間と同水準(1.6兆円程度)に抑える、という2つの目安が設けられました。こうした目標を達成について尋ねたところ、「両方とも達成できないと思う」との回答が55.9%と半数を超え、「両方とも達成できると思う」との回答は6.3%にとどまりました。

 どちらか一方の目標は達成できると思うとの回答は20.7%((A)は達成、(B)は困難が4.5%、(B)は達成、(A)は困難が16.2%)となり、多くの有識者が前問に続き、今回の財政健全化計画では目標達成は難しいと回答しています。



経済成長と財政再建の二兎を追うアプローチは機能するのか

 今回の骨太の方針では、経済成長と財政再建の二兎を追うようなアプローチとなっています。こうしたアプローチは日本の財政再建にとって機能するのかを尋ねたところ、「機能しないと思う」との回答が50.5%と半数を超え、「機能すると思う」(17.1%)を大きく上回りました。但し、「どちらともいえない」との回答が27.0%と、判断を決めかねている人が一定数いることも明らかになりました。


6割を超える人が、消費税10%からのさらならう引き上げが「必要」と回答

 安倍政権は2017年4月に、消費税10%への引き上げることを決定しています。日本が財政再建を果たしていく上で、今回の10%からさらに増税が必要かを尋ねました。有識者の6割を超える人が「必要だと思う」(63.1%)と回答し、「必要ではないと思う」(18.0%)との回答を大きく上回りました。



財政再建にとって重要なのは「社会保障費の抑制」との回答が、昨年を大きく上回る

 今回のアンケート結果では、日本が財政件を果たしていく上で、今回示された財政健全化計画では不十分との意見が多数となった。こうした状況を踏まえつつ、日本が財政再建を果たすために、最も大事なことは何だと思うかを尋ねたところ、「社会保障費の抑制」が40.5%と最多となり、昨年6月に実施したアンケート結果から18.2ポイント上昇しました。

 一方で、昨年最多だった「無駄の削減など、歳出の見直し」(31.5%)は、昨年の47.9%から16.4ポイント、昨年次点だった「成長戦略の着実な実施による経済成長」(28.8%)は、昨年の46.8%から18ポイントと大きく順位を下げる結果となりました。



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