「ワールド・アジェンダ・カウンシル(WAC)」が発足しました
地球規模課題の議論に挑み、東京を舞台に解決策を発信する初の有識者会議

2016年2月10日

 認定NPO法人 言論NPO(東京都中央区日本橋、代表:工藤泰志)は2月10日、世界が直面する地球規模的な課題の解決に向けた日本国内の議論形成、およびその解決策を東京から国際社会に発信するための有識者会議「ワールド・アジェンダ・カウンシル(WAC)」を発足させました。

 世界のガバナンスが不安定化し、様々な課題が深刻化する中、国境を越えた課題に対して解決策を提案するオピニオンの力が必要になっています。言論NPOでは、世界の課題に多くの人が積極的に関心を持ち、解決策を模索していく流れをつくり出すため、地球規模課題に対して海外の主要シンクタンクとも連携しながらオピニオンを発信する事業を開始しました。WACは、本事業の企画・運営を通し、グローバルイシューについての課題解決に向けた日本の主張を形成すると同時に、日本が国際社会におけるソリューションの形成に主体的に参加し、地球規模課題に積極的に取り組んでいる姿勢を世界に示すことを目的としており、各界を代表する有識者・専門家約15名(下記参照)が委員を務めます。

 WACでは、言論NPOウェブサイト内に開設された「ワールド・アジェンダ・スタジオ(WAS)」にて、既に継続的な議論を開始しています。WACは、こうした議論を基礎に、世界の有力シンクタンクと連携して地球規模課題の解決策を東京から世界に発信する「東京会議」を、2017年前半に発足させることを目指します。そのプレ企画として、本年3月27日(日)、地球規模課題対話「ワールド・アジェンダ2016」を、世界のシンクタンク代表者約5名を招き、東京・国連大学にて開催します。


ワールド・アジェンダ・カウンシル 委員名簿

赤阪 清隆  フォーリン・プレスセンター理事長
岩崎 俊博  野村證券株式会社代表取締役副社長
岡野 進    株式会社大和総研専務取締役
近藤 誠一  近藤文化・外交研究所代表、元文化庁長官
滝澤 三郎  東洋英和女学院大学国際社会学部教授
田中 明彦  東京大学東洋文化研究所教授、言論NPOアドバイザリーボード
長谷川 閑史 武田薬品工業株式会社取締役会長、言論NPOアドバイザリーボード
藤崎 一郎  上智大学国際関係研究所代表、言論NPOアドバイザリーボード
湯元 健治  株式会社日本総合研究所副理事長

※この他、各分野の有識者・専門家4~5名程度にご就任いただく予定。委員長は委員の中より人選。 


ワールド・アジェンダ・カウンシル 概要

なぜ地球規模課題の議論に取り組むのか

 言論NPOは、2012年に米国の外交問題評議会が提唱し発足した世界25ヵ国の主要シンクタンクによる国際会議「カウンシル・オブ・カウンシルズ(CoC)」に日本から唯一の常設メンバーとして参加し、日本の主張を継続的に発信しています。その中で痛感しているのは、世界の課題解決に対する日本の発信力は弱いものにとどまっており、日本の発言が国際的なソリューション形成の舞台で注目される機会も少ないということです。私たちは、この状況を変えるために、日本国内において世界の課題に挑む言論の力を強化し、日本から世界に課題の解決策を積極的に発信することが必要だと考えています。

ワールド・アジェンダ・スタジオ(WAS)で継続的な議論を展開

 WACでは今後、月3回数程度のペースで、国内の専門家による公開型の議論を実施し、言論NPOホームページ内「ワールド・アジェンダ・スタジオ(WAS)」にて発信します。具体的には、①平和的なガバナンスの揺らぎや世界経済のシステミックリスクへの対処を話し合う「世界秩序」の議論、②朝鮮半島や南シナ海などの問題に象徴されるように、世界的なパワーバランスの変化の中で不安定化している「北東アジアの平和的秩序」をめぐる議論、③環境や開発などの課題に対する日本の取り組みを検証する「地球規模課題と日本の役割」の議論、の三つの軸で議論を展開します。これらを通し、地球規模課題の解決に日本がどのような役割を果たせばよいのかを話し合い、2017年に開催を目指す「東京会議」における議論の土台をつくっていきます。

2017年に「東京会議」、本年3月27日に「ワールド・アジェンダ2016」を開催

 2017年開催の「東京会議」では、世界10ヵ国から有力シンクタンクの代表者を招いて世界の課題を議論し、その成果を世界に発信することで日本の国際的な発言力の強化を目指します。
また、本年3月27日(日)にはそのプレ企画として、東京・国連大学にて地球規模課題対話「ワールド・アジェンダ2016」を開催します。この対話には、世界5~6ヵ国のシンクタンクの代表者(調整中)のほか、WACメンバーから長谷川閑史氏(武田薬品工業株式会社会長)、藤崎一郎氏(前駐米大使)、田中明彦氏(東京大学教授)、近藤誠一氏(前文化庁長官)にご参加いただき、「世界やアジアの平和をどのように実現するのか」をテーマに議論を行う予定です。日本でのG7外相会議を約2週間後に控える中、世界の平和的なガバナンスをどのように構築すればよいのか、非政府主体として世界にソリューションを発信する舞台が形成されます。


言論NPOについて

 
 言論NPOは、「健全な市民社会」には「健全な議論が必要」との思いから、新しいメディアや議論の舞台を作ろうと2001年に発足したネットワーク型シンクタンクです。2004年より政府の政策実行や政党のマニフェストの評価を定期的に実施しているほか、中国や韓国との間で継続的に民間対話を開催し、北東アジアの平和的な環境づくりに向けた議論を展開しています。2012年には米国の外交問題評議会が設立した世界25ヵ国のシンクタンク会議に日本から唯一のメンバーとして参加し、地球規模の課題に対する日本の多様な議論を世界に発信しています。

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担当:言論NPO事務局 宮浦・吉本・佐藤