発展途上国に寄り添う形で支援し協同してきた経験は今後、日本にとって役立つだろう/サンジョイ・ジョシ(インド:オブザーバー・リサーチ・ファンデーション ディレクター)

2015年10月13日

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サンジョイ・ジョシ
(インド:オブザーバー・リサーチ・ファンデーション ディレクター)


Q1:地球規模課題の中で、現在あなたやあなたのシンクタンクが一番関心のある、または取り組んでいるテーマはなんですか。また解決のためどのような努力をされていますか。

 当研究財団が注力している地球課題の一つが、経済的、社会的発展および環境保全も含む「グローバル・サウス」(主に南半球の発展途上国)における包括的開発だ。私たちは、地球環境、エネルギー、インフラ整備、都市開発、国際貿易そしてサイバー・ガバナンスに関する国際的かつインド国内での政策や施策に働きかけているが、そうした努力のすべてが、こうした地域に住む人びとの生活水準を改善するという大きな目的のために向けられている。


Q2:その地球規模課題の解決に向けて、あなたは日本にどのような役割を期待しますか?また、地球規模課題の解決に向けた取り組みに日本がより大きな貢献をするために、あなたは何が必要だと考えますか。

 先進地域と発展途上地域の間には強い相乗効果が働く。世界第三の経済力を持ち、G7の一員でもある日本が、発展途上国の成長軌道上で重要な役割を果たすことは、日本自身の利益にも適うはずだ。

 包括的かつ持続可能な活気ある経済の開発に参画することで、日本は「ポスト2015年開発アジェンダ」を推進させるばかりではなく、日本自身が成長モメンタムの一部になれるはずだ。

 日本はその技術力を活用し、発展途上国がインフラ整備に伴う財政的困難を克服する手助けをすべきだろう。過去、日本は政府開発援助(ODA)を無償供与や低金利融資の形で提供し、それに技術援助を組み合わせることで、インドやミャンマー、バングラデシュ、スリランカなどの南アジア諸国における主要なインフラ整備プロジェクトを資金面でも支えてきた。

 今日、発展途上国に寄り添う形で支援し協同してきた経験は、こうした地域でこれから起こるであろう経済成長に日本がより積極的に関与していく上で役立つであろう。


Q3:国際社会では日本の発言力は弱いと言われていますが、その原因はどこにあると考えますか。また、この言論NPOのプロジェクトにどのような期待を寄せていますか。

 安倍政権下にあって、日本が21世紀には日本が国際社会の平和・安全の確保のために積極的貢献をしていくのが21世紀の日本の新しい役目である、と日本は再三再四表明してきている。安倍首相の自民党は、世界における日本の存在感を経済的にも復活させ、アジア太平洋地域ばかりか全世界的に、リーダーとしての日本の地位を固める決意を示してきた。

 日本の影響力が増大する可能性は少なくない。いくつか理由を挙げてみよう。

 (1)新しい安保法制が制定されたことで、日米安全保障体制が強化され、それによって日本は国際紛争の解決のためにより大きな役割を果たす自信をつけることになるだろう。そのことはまた、激変する戦略地政学的状況下にあって、いわゆる「吉田ドクトリン」では否定されていたが、自国の防衛に日本自身がより大きな責任を担う決意をした、と受け取られるであろ。

 (2)日本は長いこと、北東アジア、つまり中国と韓国への対応に経済政策の重点を置いてきた。やがて、アセアン諸国にも関心が向けられるようになってきた。しかし今日、日本は南アジアに向けた経済政策を形成しつつある。すでに日本は、インド、バングラデシュ、ミャンマーそしてスリランカに多額の投資をし始めている。 


その他のシンクタンクの回答を見る

▸テクノロジー、金銭、人材を問題解決に活用することが問われる/リチャード・ブッシュ(アメリカ:ブルッキングス研究所シニアフェロー)

▸日本は世界・地域・2カ国間の舞台で課題解決の役割を果たせる/ロヒントン・P・メドーラ(カナダ:センター・フォー・インターナショナル・ガバナンス・イノベーション(CIGI)会長)

▸東アジア地域の安全保障で、地域協力の推進者となるべき/セリーヌ・パジョン(フランス国際関係研究所(IFRI)リサーチ・フェロー)

▸経済成長と国際秩序を両立させた経験を活かすことが重要/ホセ・マリア・ラドス(アルゼンチン・カウンシル・フォー・インターナショナル・リレーションズ(CARI))

▸日本の政治的プレゼンスを強化するためには積極的な発言と行動が必要/セルゲイ・クリーク(ロシア現代発展研究所ディレクター)

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▸発展途上国に寄り添う形で支援し協同してきた経験は今後、日本にとって役立つだろう/サンジョイ・ジョシ(インド:オブザーバー・リサーチ・ファンデーション ディレクター)