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政府挨拶「東京会議2020」は未来宣言を採択し閉幕
―未来宣言を受け取った米国のヒル首席公使代理が挨拶

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 言論NPOが2月28日から3日間にわたって開催してきた「東京会議2020」は、3日間の議論を踏まえ、世界10カ国の参加シンクタンク間で合意した「未来宣言」を採択し、主催者であり議長国でもある言論NPO代表の工藤泰志が宣言文を読み上げました。

 そして、今年のG7議長国である米国のニコラス・ヒル駐日首席公使代理と、日本政府から出席した外務省総合外交政策局の山中修参事官に提出し、閉幕しました。

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 宣言を受け取った後、ヒル首席公使代理が挨拶を行いました。

HIR_2782.jpg ヒル氏はまず、「米国人は実際的、実務的」と切り出し、そのため、米国が議長国を務める今回のG7を、「力を合わせて経済を成長させ、グローバルな繁栄を推進する」という発足の原点に戻る機会にしたい、と語りました。


 続いてヒル氏は、「G7は首脳会議以外に、閣僚会合も重要。さらに、今日のような民間シンクタンク間の会議も極めて重要」と述べ、非公開議論も含めると3日間の対話を経て宣言をまとめた参加シンクタンクの努力に敬意を表しました。ヒル氏は、「今日の宣言はホワイトハウスに伝達する」と明言しました。


米国は、自由秩序と多国間主義のリーダーシップを捨てていない

HIR_2755.jpg そして、G7の意義については、「G7はルールに基づいた多国間の世界秩序の一部」とした上で、「明確にしたいのは、米国は世界のパートナーを大切に思っており、議論や国際ルールを尊重する国だ」と発言。2月のミュンヘン安全保障会議でも、ポンペオ国務長官が「米国は、引き続き伝統的なグローバルリーダーの役割を果たし続けている」と明らかにしたことを紹介しました。一方で中国を念頭に、「他国は、ルールを守らないまま近代化を進めてはならない」と釘を刺しました。

 また、ルールや多国間の秩序を尊重する具体例として、同盟国、特に日本と連携して北朝鮮の非核化のため制裁を行い、交渉の席に引き出したこと、中国の不公正な貿易慣行や、途上国の主権に脅威となる威圧的な経済行動に警告を発したこと、さらに、環境分野でも努力し、IEA(国際エネルギー機関)によると、2019年、米国経済は堅調に成長したにもかかわらず、エネルギー換算のCO2排出量は2.9%減少したこと、などを列挙しました。

 加えて、「米国は引き続き、日米欧の連携によるWTO改革を考えている」とし、その中身は「市場志向の条件を重視した自由、公正で相互の利益になるような貿易制度改革だ」と述べました。

 ヒル氏はこうした事実から、世界の自由秩序や多国間協力のリーダーシップを「米国は脱ぎ捨てていない」と重ねて強調しました


 最後にヒル氏は、今回の「東京会議」のテーマとなった「米中対立」は「若干過激な表現」と印象を述べ、「米国は中国と良い関係を築くため、公正で相互的な貿易関係をつくろうとしている」と発言。1月に交わされた第1段階の通商合意は、知的財産権、技術移転、農業など重要な分野の改革を可能とするものだとし、この交渉プロセスは今後も続いていく、と語りました。ヒル氏は、こうした米国の取り組みは中国の全ての貿易相手国、また中国自身にとっての利益になる、とも述べました。


「民主主義や多国間主義をどう推進していくのか」
 大所高所からの議論がなされ、実りある会議となった「東京会議2020」

HIR_2796.jpg 続いて、言論NPOアドバイザリーボード・メンバーで元駐米大使の藤崎一郎氏が閉会の挨拶を行いました。外務審議官として2003年、04年のG7首脳会議でシェルパ(事務レベル代表)を務めた藤崎氏は、「当時、『東京会議』のように各国のシンクタンクが知恵を出す場があれば、もっと良い宣言ができていただろう」と語り、今回の「未来宣言」の内容を政府間の対話にも取り入れるよう、各国政府に呼び掛けました。

 そして、「民主主義、多国間主義をどう推進していくかについて、大所高所からの見識が示された」と、今回の「東京会議」を振り返り、コロナウイルスの流行で日本が警戒態勢に入りつつある中で、この会議のためだけに来日した海外参加者への感謝を述べました。そして、客席に居並ぶ各界の有識者にも言論NPOへの一層の支援を呼びかけ、「東京会議2020」は幕を閉じました。


【 0:00:00~ 挨拶・基調講演 / 1:20:30~ パネルディスカッション / 2:56:34~ 未来宣言・政府挨拶 】 

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