「2002.12.13開催 アジア戦略会議」報告

2002年12月13日

021213_01.jpg今回は、会議メンバーである谷口智彦(日経ビジネス編集委員)から「アジア戦略会議最終提案にむけた座標軸の提案」について、座長の福川伸次氏(電通顧問)から「国際比較でみるアジアの価値観」をテーマに、それぞれお話をうかがいました。


「アジア戦略会議」では、21世紀の対アジア戦略を日本自身の将来像と結びつけながら描き出すために、来春のシンポジウムに向けて幅広い観点に立った議論を進めています。

そうした議論の論点を深めるため、前回の会合までに、中国の現状と外交戦略、ヨーロッパ統合を着実に進めてきたドイツの経験、朝鮮半島情勢をふまえた日本の安全保障問題、FTA構想を中心とした日韓経済関係、日米関係をふまえたアジア全体の安全保障問題、企業人の目から見た日本の対アジア戦略、アジアの通貨・国際金融問題、そして中国WTO加盟の影響・加速する中国『世界工場』化をテーマに、それぞれの分野の専門家からお話をうかがい、議論を重ねてきました。

今回は、この3ヶ月重ねてきた専門家を招いての議論の最終回として、日本の対アジア戦略を総合的見地から見る議論、および価値観の観点から日本とアジアを見る議論を展開しました。

谷口智彦氏(日経ビジネス編集委員)は、日本のアジア戦略を考える1つの視点として、覇権国米国と中国の今後の可能性、さらにアジアの中での日本の地位の変化を分析し、かつての英国がそうだったように、日本が米国の背中を借りる(ピギーバック)道をとるしかないのではとの見方を説明しました。これを受けて会議メンバーで活発な意見交換がなされました。

つづいて、福川伸次氏(座長・電通顧問)が、2001年12月に電通総研が報告した「価値観国際比較調査」をもとに、アジアの価値観の共通性と多様性、日本とアジアの係わりの歴史と現況などを報告。調査結果からうかがえるアジアの成長指向、生活観、社会観、家庭観、企業観、対日観などについてお話いただきました。そして、アジア戦略会議における今後の議論の方向性を含め、メンバーによる意見交換を行いました。

会員の方には後日議事録を公開いたしますので、そちらを是非ご覧ください。

今年のアジア戦略会議は今回が最後になります。来年も、シンポジウム開催に向けて議論をさらに展開していきますので、ご期待ください。また、議論をさらに発展させるために、皆様からのご意見もお待ちしております。

言論NPO個人正会員(基幹会員)の皆様は、「アジア戦略会議オブザーバー」として会議を傍聴できます。ご希望の方は、言論NPO事務局(E-mal: info@genron-npo.net、 TEL: 03-6229-2818)までお申し出ください。

今回の出席者は以下の方々でした。(敬称略)

 福川伸次(電通顧問)
 植月晴夫(三菱商事地域総括部長)
 加藤隆俊(東京三菱銀行顧問)
 国分良成(慶應義塾大学教授)
 谷口智彦(日経ビジネス編集委員)
 工藤泰志(言論NPO代表)

 今回は、会議メンバーである谷口智彦(日経ビジネス編集委員)から「アジア戦略会議最終提案にむけた座標軸の提案」について、座長の福川伸次氏(電通顧問)から「国際比較でみるアジアの価値観」をテーマに、それぞれお話をうかがいました。