政党を組織として評価し、監視し、鍛えていく

2012年9月27日

西沢和彦氏(日本総研主任研究員)

 私は政治家に白紙委任しないという主旨に賛同致します。近々か、しばらくしてから選挙が行われると思いますが、最近私たちは政治家の個人的資質に着目して、政治家の品定めをすることが多いと思います。しかし、これを改めた方がいいと思っています。むしろその政党の政策決定機能あるいは政策立案機能、政治家をリクルーティングするシステムなど政党の組織により着目して、我々は政党を評価した方がいいと思っております。今、政治家、政党に求められているモノは、国民の民意を汲んで政策を作り、それを政党の総意としてまとめて提示することです。それを単に空理・空論ではなくて、政権をとった暁には、それを実際に実行していくという力が必要だと思います。

 ところが、近年の状況を見ましても党の中で言っていることはばらばら、マニフェストは掲げたが、政権についてみると中々実行できない。我々の不満は政治家個人に向かう訳ですけど、確かにそれもありますが、そうではなくて組織として我々は見るべきだと思っています。これは私たちの会社に例えてもそうだと思います。あるいは行政に顕著ですけれども、トップは定期的に変わっていきます。それでも組織は何とかして維持されていくわけであり、それは下からの積み上げがしっかりしている、組織がしっかりしているからだと思います。私たちはスーパースターの出現に期待するのではなく、むしろ政党というものを評価していくべきないかと思っています。

 そこで、言論NPOに期待することは、これは私たちもそうですけど、これまでとかくするとどっかにいいリーダーはいないか、このリーダーは優れている、この人なら期待できるのではないか、こうした形で政治家を眺めていたかもしれませんが、もちろんリーダーシップは重要ですけど、もっとこの政党といったものを組織として評価していく、といったことが重要ではないかと思います。

 与党が権力の座にあれば、その権力をきちんと監視していく。あるいは、野党であれば野党時代に怠けさせず、鍛えていく。野党時代に怠けていればいざ選挙になった時にきちんとしたマニフェストが出てきません。もしかしたら、今度の選挙でも空っぽのものが出てくるかもしれない。その時になって慌てるのではなくて、私たちあるいは言論NPOとしても野党時代怠けていないか監視していく。こういったことが重要ではないかと思います。

 私は政治家に白紙委任しないという主旨に賛同致します。近々か、しばらくしてから選挙が行われると思いますが、最近私たちは政治家の個人的資質に着目して、政治家の品定めをすることが多いと思います。しかし、これを改めた方がいいと思っています。むしろその政党の政策決定機能あるいは政策立案機能、政治家をリクルーティングするシステムなど政党の組織により着目して、我々は政党を評価した方がいいと思っております。今、政治家、政党に求められているモノは、国民の民意を汲んで政策を作り、それを政党の総意としてまとめて提示することです。それを単に空理・空論ではなくて、政権をとった暁には、それを実際に実行していくという力が必要だと思います。