言論NPOについて / 発言者:黒川清氏

2006年12月28日

001kurokawa.jpg黒川清(内閣特別顧問、政策研究大学院大学教授)
くろかわ・きよし
profile
1936年生まれ。62年東京大学医学部卒業。同大学院修了後、14年間在米。UCLA医学部内科教授などを経て、東京大学医学部第1内科教授、東海大学医学部長、総合医学研究所長を歴任し、2000年日本学術会議副会長、03年~06年会長。2006年10月内閣特別顧問就任。11月政策研究大学院大学教授。

去年は一昨年に続いて東京・北京フォーラムを開催して、大変インパクトがよかったと思います。言論、万機公論に決すべしと言っていたのに、だんだんモノトナスな議論ばかりになっていました。そこにこういう話が出てくるということは非常によいわけで、11月に北京に2回、それからニューデリーにも行ってまいりましたが、国際会議では、日本人にしゃべらせることは非常に難しい、もう1つはインド人を黙らせることは難しいということがよく言われます。

確かに、アマルティア・センの『オーギュメンタティブ・インディアン』などという本を読むと、インドはカーストのヒエラルキーに関係なく常に議論をしてしゃべるという話があります。やはりしゃべるということ、いろいろな意見を言うということは民主社会の根本だということをアマルティア・センも書いていますが、本当にそうだと思います。

そういう意味では万機公論に決すべしということは、1つの意見ではなくて、いろいろな意見をいかにアーギュメンタティブにするかということが、やはり民主社会になっていく第1歩かなと思っております。

 去年は一昨年に続いて東京・北京フォーラムを開催して、大変インパクトがよかったと思います。言論、万機公論に決すべしと言っていたのに、だんだんモノトナスな議論ばかりになっていました。そこにこういう話が出てくるということは非常によいわけで、11月に北京に2回、それから