政府間外交を再び軌道に乗せる土台づくりの議論を

2013年10月26日

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政府間外交を再び軌道に乗せる土台づくりの議論を

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言論NPOの工藤です。25日にこのブログをアップする予定でしたが、日付が変わってしまい中国時間で26日の0時40分です。この時間になってもまだスタッフみんなが、今日の9時からはじまる議論の準備作業に追われています。


「北京コンセンサス」策定作業は大詰めに

さて、昨日は晩餐会を行い、この対話に参加する多くの人に来てもらい、みんなで議論しました。一方で「北京コンセンサス」発表に向け、明石康実行委員長、宮本雄二、武藤敏郎両副実行委員長と本気で議論しました。私も少し感動したのですが、民間の対話の力で今の日中関係の状況を乗り越えようという考えを共有していて、本当に実りあるものになりました。皆さん、それぞれの場で経験をされてこられた方なのですが、アジアの問題に真剣にぶつかっている一人の当事者、ステークホルダーとして今回の対話に臨むという意気込みを感じました。

私がめざしている外交の姿というのは、多くの市民が当事者として課題にぶつかり、課題解決の動きに向かい合っていくような動きが、アジアや世界の流れを変えていく、というものです。今日は、実際に、そういう風な光景を目の当りしたことは非常に嬉しかったです。また、日本側で宣言案を合意した時には、みんなで用語を一字一句チェックしていました。こうした課題に向かい合っている光景をみていると、本当に「青春」だな、という感じがしています。一方で、今回、非常に緊張感ある日中関係に向かい合っているということを改めて実感しましたし、今回のフォーラムを成功させなければいけないと決意を新たにしたところです。

そして、先程日本側からの「北京コンセンサス」の修正案を中国側に提示しました。何としても民間の対話の力で今の日中関係の危機的な状況を乗り越えたい、という気持ちは、日本側だけでなく中国側も同じです。しかし、その文面に関しては、日中間で色々な議論が行われており、今日また話し合いをすることになっています。明日27日に「北京コンセンサス」を出すことができるかどうかは、まだ予断を許さない非常に重大な局面になっています。


本音の議論がいよいよ始まる

さて、今回の対話は、26日の朝9時から始まり、全体会議に引き続いて午後からは安全保障、経済、メディア、政治の4つの分科会が行われます。全体会議については、国営ラジオ局が全面生中継を行います。日中関係が尖閣問題を含めてかなり深刻な問題を抱えている厳しい状況下で、この対話の内容を少しでも多くの人に知ってもらうための作業が始まっています。私も全体会議だけではなくて、メディア対話と政治対話で司会を行うことになっています。今ぎくしゃくしている政府間外交を、何とか再び軌道に乗せるような環境づくりのための議論を開始したいと思っています。

また、一昨日のブログでも言いましたが、昨日の晩餐会にはボランティアとして非常に多くの日本人の留学生が手伝いに来てくれました。北京なのに日本人だらけという状況で、やはり多くの若い人たちがこの対話に協力してくれているというのは非常に嬉しいことだと思っています。

今日から始まる議論は、言論NPOのホームページなどで公開していきます。日中間の課題解決に向けて本気の議論を本音でやろうと思っているので、ぜひ議論の内容をご覧いただければと思っています。また明日報告させていただきます。