デモクラシーを機能させ、平和構築に向けた動きをつくりだす年に ~インドネシア、インド訪問を振り返って~

2015年1月15日

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デモクラシーを機能させ、平和構築に向けた動きをつくりだす年に
~インドネシア、インド訪問を振り返って~

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工藤:今、ガンジーのお墓の前にいます。墓といっても火葬された場所で、遺骨は全国の河に流れたそうで、記念館のある場所にいます。私たちは今回、インドネシアとインドを訪れ、デモクラシーの問題に関する対話を民間レベルでできないか、ということで、昨日まで多くの人に会いました。


インドで驚いたことは、民主主義をボトムアップでつくろうとする意識

特にインドに来て驚いたのは、ボトムアップ、つまり、下からデモクラシーを作ろうということにかなり多くの人たちが取り組んでいるということです。講演をしたり、色んなところで話をしましたが、完全に話がかみ合いました。多くの人が、デモクラシーというものは、社会の発展や一人ひとりの人権や生活にとって決定的に重要で、下から作っていく社会になることが、非常に重要だという意識を持っていました。

日本の中でも下からの社会的活動とデモクラシーとのつながりが非常に大事なのですが、まだそういう形になっていません。おそらく政治にしても市民と政治の間に距離が広がっているという問題があり、市民が具体的にデモクラシーを強くして、政治を変えていくという大きな流れができていないからだと思います。しかし、そうした動きを日本の社会で作っていかないといけないということを強く感じました。ただ、日本の社会の中でそうしたデモクラシーの基盤をつくるためには、私たち自身がもう少し努力をしないといけないということも改めて感じました。


市民の力が様々な課題や民主主義の様々な障害を克服していく

インド、そしてインドネシアもそうでしたが、社会的、経済的な発展という点では非常に遅れているところもあります。インドについては、私たちが見ても貧富の格差を非常に痛感しました。ただ、社会の発展のプロセスにあるにも関わらず、デモクラシーということに関しては、非常にこだわっていました。そして、デモクラシーをつくるために、多くの人たちが、選挙や人権、貧困など様々な問題に取り組み、社会的ムーブメントまで広げようとしているということを、私は理解しました。

日本でもそうしたアプローチの仕方が必要だと感じました。つまり、知識層や私たちみたいな言論に関する様々な取り組みが、世論を変えていくということが重要です。一方で私たちの取り組みに多くの市民が参加して、その市民の力が様々な課題や民主主義の様々な障害を克服していくという動きを作っていかないと、おそらく日本の将来も大きく発展することは難しいのではないかと思いました。


デモクラシーと平和構築に向けた動きをつくりだす決意を新たに

今回、インドネシアとインドを訪問し、多くの人たちがそうした取り組みを行っていることがわかりました。そうした人たちと言論NPOが様々な形で対話をしていこうということも約束しました。言論NPOだけではなく、日本の様々な人たちがこうした対話の枠の中に入ってくるというのが極めて大事だと思っています。

これから日本に戻りますが、2015年、戦後70年の新しい年に日本の中でデモクラシーと平和に向けた確実な動きを作りだしたいと思っています。そういう覚悟を固めた旅でした。

以上、ニューデリーからの報告でした。