日中間に漂う閉塞感を打破するための第一歩

2013年10月25日

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日中間に漂う閉塞感を打破するための第一歩

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北京から言論NPOの工藤です。現在、中国時間で23時15分です。今日は昼に北京に到着してからずっと、25日から始まる「東京-北京フォーラム」のために色々な準備をしていました。
今回のフォーラムは、首脳会談をはじめとする政府間交渉が停滞するなど、日中関係が厳しい局面にある中、この局面を民間の対話の力で乗り越えるために開催されます。


日中間の事態冷却のため、民間レベルでの冷静な議論を

この対話は今年で9回目になりますが、今日、中国側主催者と事前協議をしている中で、過去8回の対話と比較しても、日中関係が非常に深刻な状況にあることを改めて痛感しました。ただ、私はこの状況をどうしても民間の対話の力で乗り越えたいと思っています。
明日25日、日本側のパネリスト約30人が北京に来ますので、皆さんと相談しながらこの流れを変えたいと思っています。

今回のフォーラム開催にあたって、私が非常に苦心していることは、対話の結果、民間の中で何らかのコンセンサスをまとめられないかということです。私は、日本と中国の間にあるどんな困難もこの対話の力で乗り越えたいと思いますし、どんなことがあっても互いに戦争など軍事的な手段に訴えるべきではない、と思っています。そこで、今回のフォーラムを機会に民間レベルで事態の冷却化のため、冷静な議論を始められないかと考えています。そのために、今日の事前協議では、中国側とかなり本気の議論をしました。日本側だけでなく、中国側も何としてもこの対話を成功させようという気持ちでいっぱいだということがよく分かりました。これで明日から始まる本格的な対話のための、一つの基盤ができたのではないか、と思っています。


元気を与えてくれた若いボランティアたちの姿

このように大変苦労しながら準備をしている中、私が大きな元気をもらったことが一つあります。それは今日、北京在住の日本人留学生や中国人の学生など多くの若い人たちが、このフォーラムの運営を手伝うために、集まってくれたことです。フォーラム全体では、50人弱のボランティアが、フォーラムの運営、コンテンツの制作のために力を貸してくれることになっています。民間という枠組みの中でこの障害を乗り越えるための何かの動きが確実に始まっているのです。やはり、多くの人たちがこの民間の対話の中で、日中間に漂う閉塞感を何とか打破したい、という熱い思いを持っている、ということを非常に痛感しました。そうした思いに応えるためにも私はこの対話をどうしても成功しなければならないと思っています。

25日の晩餐会を経て、26日から本格的な議論が始まります。言論NPOでは議論の経過を皆さんに逐一お伝えして、この対話をよりオープンな形で進めていきます。是非、皆さんにも期待していただきたいと思います。

ということで今日は北京からお送りしました。