世界の課題に挑む

岸田外務大臣に「G7への緊急メッセージ」を提出 ~WA2016レセプションパーティ報告~

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パネリスト間同士で率直な意見交換がなされた非公開対話
国際秩序の不安定化と平和構築への努力 ~WAC2016 第一セッション報告~
世界経済のシステムリスクと不安定化にどう対応するか ~WAC2016 第二セッション報告~
日本でのG7首脳会議に向けた緊急メッセージ


 シンポジウム終了後、国内外のパネリストらが参加してレセプションパーティが行われました。パーティには岸田文雄外務大臣が参加し、言論NPO代表の工藤泰志が、今回の議論を踏まえてワールド・アジェンダ・カウンシル(WAC)が発表した「日本でのG7首脳会議に向けた緊急メッセージ」を岸田大臣に手渡しました。


新たな国際秩序の構築には、民間識者による議論は必要不可欠であり、WACの今後に期待

160327_kishida3.jpg 岸田大臣は、緊急メッセージを受け取った後、挨拶に立ち、東京を舞台に地球規模課題を議論し、世界に発信する取り組みを担うWACのキックオフとして今回のシンポジウムが開催されたことに、祝意を表しました。

 続いて岸田大臣は、国際社会の現状について「新興国の台頭によってパワーバランスが変化する中、暴力的な過激主義が拡散し、さらには一方的な現状変更の動きもあり、また、経済も不透明な動きを示しているなど次々と多くの新しい課題が我々の前に突き付けられている」と述べた上で、そうした中で今年、日本がG7や日中韓サミット、TICAD(アフリカ開発会議)の議長国、また国連安保理の非常任理事国を務めることについて、「日本が国際的な議論をリードする大きなチャンスを得ることになる」と語りました。その上で、「2週間後に迫ったG7外相会議の議長として、将来を見据えて議論をリードし、明確なメッセージを世界に発していきたい」と決意を述べました。
 
 そして、今回の緊急メッセージについて、「早速、取り組みの成果をお示しいただいた」と感謝の意を述べました。さらに、激動する世界において新たな国際秩序を構築していく際には、民間有識者によるしっかりとした議論が不可欠だと指摘し、「言論NPOやWACにはそうそうたる皆様方がお揃いである。それぞれの力を十二分に発揮し、すばらしい議論を行い、世界にすばらしい発信をしていただきたい」と、WACの今後の展開に対する期待を述べ、挨拶を締めくくりました。
 

国際秩序の変動や経済リスクについて、自分自身で考えていくことが重要

 パーティではまず、言論NPO代表の工藤が主催者挨拶を行いました。工藤は、主要7カ国から来日したシンクタンク代表者らの労をねぎらった上で、「政府だけでなく、民間や市民が世界の課題解決を考える流れをつくらなければいけない。そして、日本が国際社会の中でいろいろな役割を果たしていくことが必要だ」と、WACが目指す目的を示しました。そして、「世界のシンクタンクと継続的に連携して、東京を舞台に国際的な課題解決を議論し、それを発信する動きをつくり出したい」と、来年の開催を予定する「東京会議」に向けた決意を改めて語りました。

 さらに、今回の議論のテーマとなった国際秩序の変動や経済リスクといった課題について「我々はただ人任せで眺めているだけではいけない。様々な危機やリスク、大きな変化に自分たちがきちんと向かい合い、自分たちで考えていくことが必要だ」と述べました。そして、今回のシンポジウムを皮切りに、「私たちがこれから、世界、また日本の将来に向けてきちんと議論していきたい」と決意を語り、海外のパネリストも含めて、多くの人たちと協力していきたいと言論NPOへの支援を呼びかけました。


WACを舞台に新たなオピニオン発信のモデル作っていきたい

 続いて、WAC委員を代表して長谷川閑史氏(武田薬品工業取締役会長)が挨拶に立ちました。長谷川氏が、自身が10年間にわたり「東京-北京フォーラム」への支援を続けたことで「日中関係の再構築、深化に貢献できた」と振り返った上で、「工藤さんの夢がさらに広がって、今や民間の非常にユニークなNPOとして、オピニオンリーダーシップをとるところまで果てしなく発展している」と、言論NPOの取り組みを高く評価しました。

 また、今回、参加した海外シンクタンクの代表者らへの感謝を示して上で、「こういった活動が、グローバルな課題に対する日本の存在感、貢献を高め、世界をリードしていくことに貢献できればと思う。それには、民間と政府のいわゆるマルチステークホルダーの協力が最も大事だ」と、今後、WACを舞台に新たなオピニオン発信のモデルをつくっていくことへの意気込みを語りました。


国内のみならず、海外での言論NPOのさらなる活躍に期待

 その後、乾杯の挨拶に立ったWAC委員の武藤敏郎氏(大和総研理事長)は、「海外、また日本のパネリストの皆さんは大変良い経験ができたのではないか」と今回の議論を振り返りました。そして、言論NPOの活動が、日本国内のみならず、日中、日韓、世界へ広がっていることに触れた上で、「米国外交問題評議会の日本側のカウンターパートという大変すばらしい立場にまで発展した」とこれまでの労をねぎらうとともに、今後の活躍への期待を述べ、さらに今回のシンポジウムの成功を祝して、乾杯の音頭を取りました。

 次に、海外から参加したパネリストらが感想を述べました。


各国シンクタンクが集まり議論し、G7に提言できるのは非常に稀だが重要な機会

 トマ・ゴマール氏(フランス国際関係研究所所長)は、今回のシンポジウムを振り返り、「大変意義のある話ができた」と感想を述べました。同時に、「言論NPOのスタッフには本当に優しさと効率の良さを感じた」と、議論を主催・運営した言論NPOへの感謝を述べました。そして、「東京でこのような会議を開くことは、本当に大切なので、ぜひこれからも続けていってほしい」と今後への期待を述べました。

 カナダのロヒントン・メドーラ氏(国際ガバナンス・イノベーションセンター総裁)は、米国外交問題評議会が4年前に設立した世界25ヵ国のシンクタンク会議で言論NPOと知り合った経緯を振り返った上で、言論NPOが実施する日中・日韓などの世論調査について「アジア地域をよく知らない人にとっては非常に有効なものであり、活用させてもらっている」と述べました。そして、グローバルイシューを日本で議論し、日本から発信していくことは非常に重要だとし、とりわけ、「日本がG7を迎えるにあたり、各国のシンクタンクトップが一堂に会して議論し、G7に提言ができるのは、本当に稀な機会だと思う」と、議論の質の高さやタイムリーさといった面で、今回の議論の意義を強調しました。

ハンス・G・ヒルパート氏(ドイツ国際政治安全保障研究所アジア担当部長)は、言論NPOや、問題提起者として登壇した杉山晋輔外務審議官、浅川雅嗣財務官への感謝を述べた上で、「今回はキックオフということだが、これから何年にもわたって数多くの議論を重ねていくのだと思う。それをきっかけに、日本の政治にも風を吹かせてほしい」と語りました。


今回の対話を継続し、課題解決を進展させると同時に、様々なリレーションを構築したい

 インドのサンジョイ・ジョッシ氏(オブザーバー研究財団所長)は、工藤を「ドリーマー」と評した上で、「ドリーマーがいないと、我々のように悪夢しか見えない人間にとっては困ってしまう。今日の議論では多くの悪夢を議論することになった、もう少し、ドリームを話せたらよかった」と今回の議論を振り返りました。そして、「政府は日々こなさなければいけない業務が非常に多いこともあり、言論NPOのような組織がいろいろ考え、夢見るということは重要だ」と、民間による議論の意義に触れ、「このような対話をずっと続けてほしい。その際、本日話した問題については、繰り返し議論することのないようにしたい」と、今後の議論の進展に期待を示しました。

 中国の肖耿氏(国際金融フォーラム研究所所長)は、中国の軍事的な台頭や中国経済の行方が焦点の1つとなった今回の議論について「皆さんの中国に対する理解がいかに深いのかを感じられるコメントがたくさんあったことに感銘を受けた」と振り返りました。そして、「今回のような議論に中国も参加しつつ、中国自身も他の国とももっと枠組みを広げていきたい」と強調しました。

 インドネシアのフィリップ・ベルモンテ氏(戦略国際問題研究所所長)は、「工藤さんにはこれからも夢を見てほしい」と期待を述べました。そして、「各所で内向な主張が台頭しているが、それに対し、国境を超えたグローバルな連携を真剣に考えていくことが大事だ」と語り、更なるリレーションづくりの重要性を指摘しました。

 最後に、WAC委員の藤崎一郎氏(上智大学国際関係研究所代表、前駐米大使)が締めの挨拶に立ちました。藤崎氏は、世界の政治、経済が直面する重要な課題をめぐって主要8ヵ国のシンクタンクトップが充実した意見交換ができた今回のシンポジウムについて、「成功裏に終わったのではないか」と振り返りました。その上で、レセプションに参加している人たちに、言論NPOへのさらなる支援と協力を呼びかけ、レセプションパーティを締めくくりました。

 言論NPOは、今回のシンポジウムをキックオフと位置付け、来年東京で開催する「東京会議」に向けて、様々な議論を行っていきます。詳細は、言論NPOのホームページで随時提供していきますので、ぜひご覧ください。
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