「第12回 東京-北京フォーラム」前日報告

2016年9月26日

⇒「第12回 東京-北京フォーラム」ダイジェスト

030A0308.jpg 「第12回東京-北京フォーラム」の開幕を翌日に控えた9月26日、東京都内のホテルオークラ東京にて、言論NPO主催の晩餐会が催されました。


030A0115.jpg まず、晩餐会に先立ち、日中両国のパネリストが一堂に集まり、翌日に控えた議論を前に打ち合わせ会が行われました。打ち合わせ会では、翌日の議論を実りあるものにするため、司会者やパネリストから様々な意見が出され、各分科会とも活発な意見交換がなされました。

YKAA0224.jpg その後、中国側訪日団団長である中国国務院新聞弁公室主任の蒋建国氏が、「東京-北京フォーラム」の最高顧問である福田康夫・元内閣総理大臣を訪問し、会見を行いました。会見では、中国経済の現状や構造改革の行方、メディア報道の在り方、さらには、今後、日中関係を改善していくために、日本の若者の中国訪問を増やすための方策、若い議員同士の交流など、様々な意見交換が行われました。

 会見終了後、日中両国のパネリストや来賓、支援企業を併せて約110人が参加する言論NPO主催の晩さん会が盛大に開かれに開催されました。


多くの両国民が「民間対話」に期待を寄せる中、課題に対する答えを出すことが求められている

YKAA0333.jpg まず、主催者として開会の挨拶に登壇した言論NPO代表の工藤泰志は、「日中関係が、政府間外交が停止するような厳しい状況になっても、これまで11年間、この対話が続いてきたのは皆の課題解決に向けた強い意志があったからであり、その意志こそがこの対話の生命力だ」と切り出しました。そして、先週公表した「第12回日中共同世論調査」では、日中両国民の7割が現状を懸念すると同時に、4割が「民間対話」に期待しているという調査結果を改めて紹介。その上で、「この地域に平和と発展・協力をもたらすためにはどうすればいいのか、両国は共にどのようなアジアの将来を目指すべきなのか。明日からの対話で課題に対しての答えを導き出していかなければならない」とこの対話の持つ意義を強調しました。

 同時に、今年相次いで亡くなったこの対話の創成期からの功労者である呉建民氏(元中国駐フランス大使)と加藤紘一氏(元衆議院議員)の遺志を受け継ぐことも今回の参加者の重要な責務だと居並ぶパネリストらに語りかけ、挨拶を締めくくりました。


日中友好の流れは大河のようなもの。そこで起こる危機は民間の知恵が打開していく

YKAA0365.jpg 中国側訪日団団長挨拶に登壇した蒋建国氏はまず、中日の平和、友好、協力の流れを大河に喩え、「大河の流れが人心の向かうところであり、大勢の赴くところだ」と語り、たとえ日中間にどのような問題が起こったとしても決して堰き止めることのできないものである、と語りました。蒋主任は続けて、「世が混乱しても民間の力が危機を打開していく」と民間の知恵の重要性を指摘。11年間続いてきたこの対話がまさにその力を発揮して「大きな成果を挙げてきた」と賛辞を送ると同時に、明日からの対話にも大きな期待を寄せました。

YKAA0383.jpgYKAA0414.jpg 続いて、中国国際出版集団副総編集長の陳実氏による中国側参加者紹介と、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構教授で、言論NPO理事の田中弥生氏による日本側参加者紹介が行われました。

YKAA0421.jpg そして、今回の対話の成功と日中関係の未来の共存・共栄を祈念して、国際文化会館理事長で、本フォーラム実行委員長の明石康氏の音頭による鏡開きが、YKAA0426.jpg明治大学特任教授で本フォーラム副実行委員長の川口順子氏の音頭による乾杯が、明石氏の地元・秋田県の銘酒「太平山」を用いて行われました。


日中は共に両国間に横たわる山や谷を越えていかなければならない

YKAA0444.jpg 続いて、中国側来賓挨拶として登壇した中華人民共和国駐日特命全権大使の程永華氏は、本フォーラムが日中間のプラットフォームとしてすでに確立されたものと高く評価した上で、先月のG20の際に行われた日中首脳会談で、中国の習近平主席が「日中は共に両国間に横たわる山や谷を越えていかなければならない」と述べていたことを紹介し、本フォーラムがその強力なサポートとなることに期待を寄せました。


マイナスを減らしてプラスを増やす」ような議論を期待

YKAA0462.jpg 日本側来賓挨拶に登壇した外務大臣政務官の小田原潔氏も程氏と同様に、G20の際の日中首脳会談に言及。安倍首相、習主席が共に口にした日中間の「マイナスを減らしてプラスを増やす」という発言を引用し、明日の対話でもそうした視点から議論をしてほしいと語りました。


YKAA0582.jpg その後歓談を経て、中国側に日本文化の魅力を紹介する催しが行われました。昨年、北京で開催された第11回フォーラムでは、唐詩の書道パフォーマンスが催されましたが、今回はそれに対する返礼として、明石氏の企画・プロデュースによって、日本三大盆踊りのひとつである秋田県羽後町の「西馬音内の盆踊り」が披露されました。

YKAA0605.jpg 野性的な囃子に乗って優美で華麗な舞が披露されると日中双方から盛んな拍手が送られました。

YKAA0642.jpg 宴もたけなわの中、閉会の挨拶に登壇した宮本アジア研究所代表で、本フォーラム副実行委員長の宮本雄二氏は、支援企業の皆様をはじめとするこれまで本フォーラム実現に尽力いただいた多くの方々に御礼を述べるとともに、明日の対話を充実したものにするようパネリスト一堂に呼びかけ、晩餐会は盛会のうちに終了しました。

 9月27日、28日の2日間にわたって開催される「第12回 東京-北京フォーラム」。このフォーラムでの議論の内容は、言論NPOのホームページで随時公開すると同時に、27日午前の全体会議、午後の安全保障分科会、28日午前の全体会議については、早稲田大学放送研究会の協力のもと、インターネット中継を行います。

 日中両国の約100人が参加して議論される本音の議論を、ぜひご覧ください。

 9月27日全体会議(9時~12時)、安全保障対話(13時30分~17時45分)、28日全体会議(9時~12時)は下記URLにて中継いたします。ぜひご覧ください。
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