言論外交の挑戦

【対談】工藤泰志(言論NPO代表)VS賈慶国(北京大学国際関係学院院長) なぜ今、日中間で「平和宣言」が必要なのか

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⇒10月の「平和宣言」に向け、日中両国間で本格的な議論が始動 ~「日中安全保障対話」を振り返って~
⇒「第3回日中安全保障対話」報告


賈慶国(北京大学国際関係学院院長)
工藤泰志(言論NPO代表)


kudo.jpg工藤:賈慶国さん、今年は日中平和友好条約40周年の節目の年です。その今日的意味をどのように考えていますか。


日中平和友好条約の締結は極めて有益だったが、この地域の平和と発展に対して、日中両国は責任を果たすには至っていない

kakei].jpg賈慶国:平和友好条約の締結は、中日両国関係の発展にとって極めて有益だったと思います。これまでの40年間、中国と日本は平和的に付き合い、密接な関係を築いてきました。これはひとえに平和友好条約のおかげだと思います。

工藤:ただ、ずっと気になっていたことですが、その条文や、その後の4つの政治文書を見ると、日中両国はこの地域の平和や発展に厳粛な責任を負っている、という言葉が何回も出てきます。しかし、日中両国はこの地域の平和と発展に責任を果たす関係になっていない。

賈慶国:確かに非常に残念に思います。中日両国はこの地域で最も大きな存在であり、大国です。両国としては、この地域の安全保障、経済を含む様々な分野において秩序の構築に積極的な役割を果たすべきですが、そこまでは至っていません。

 個人的には、歴史的な問題、領土の問題について、完全に解決できていないところに理由があると思います。この歴史問題、領土問題の処理について両国は慎重かつ、実務的な対策を取るべきだと思います。


世界やアジアの地域の平和と発展により貢献するためには、日中は本当の意味で信頼関係を構築する必要がある

工藤:今の世界の経済は、ルールに基づいた公正で開放的な体制が非常に不安定化している。そして、北東アジアでも北朝鮮問題も含めて、平和に向けての新しいチャレンジが始まっている。これは、歴史的な局面だと私は思っています。日中両国がこれまでの協力関係を、さらに一段と発展させるべき局面だと考えています。

賈慶国:確かに国際秩序は今大きく変わろうとしていて、既存の秩序が非常に大きな挑戦にさらされています。世界のガバナンスそのものが大きな困難に直面していると思います。そうした背景の中で、中日両国が既存の国際秩序の利益の受益者、つまりステークホルダーとしてより大きな役割を果たしていかなければなりません。

 まずは、既存の国秩序をきちんと擁護すること、そしてこの秩序を改善していくことが求められます。中日両国が手を携えて世界の安定、平和や発展に貢献することが求められていると思います。

 次の「東京-北京フォーラム」は、中日平和友好条約40周年という非常に重要なタイミングで開催されるフォーラムです。その中で、個人的には2つのことをやらなければいけないと思います。

 1つは、これまでの日中関係は山あり谷あり、浮き沈みのある関係が続いてきました。この間、一体何が起きたのか、そしてなぜこのようなことが起こったのか、それを究明して、経験と教訓を総括しなければなりません。そして2つめとして、このような総括を踏まえた上で、将来に対して自分なりの提案をしていくべきだと思います。やはり中日両国は交流を強化し、協力を深め、誤解をなくして本当の意味での信頼関係を構築しなければなりません。また、このような信頼関係は、協力を深めることによって実現されるものだと認識しています。それをもって、世界や地域の平和発展にもっと貢献すべきだと思います。

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「平和宣言」に期待するのは、この地域の平和をつくるための基礎固め

工藤:そうした中で私は、今年10月に開催する「第14回 東京-北京フォーラム」で「平和宣言」を実現することを考えています。5年前に領土を巡る対立で緊張が高まった時に私たちは「不戦の誓い」を合意しましたが、それに続く歴史的なチャレンジになります。

賈慶国:「東京-北京フォーラム」で工藤さんが提案している「平和宣言」は非常に重要だと思います。中日両国はこれまで以上に平和を必要としています。我々がこの平和をより確実なものにするために、基礎を固めていかなければなりません。

 中国と日本は平和的に発展して初めて、地域の安全保障や協力に貢献することができます。ですから、「東京-北京フォーラム」で出されるであろう「平和宣言」に期待すると共に、中国と日本の地域へのより大きな貢献を期待したいと思います。

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