言論外交の挑戦

地球規模で進展する脱炭素とデジタル経済に向けた日中協力
「第14回 東京-北京フォーラム」特別分科会 報告

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 特別分科会では、日本側が山﨑達雄氏(前財務官)、中国側が王恵氏(元北京市政府スポークスマン・元北京市政府新聞弁公室主任)による司会進行の下、「地球規模で進展する脱炭素とデジタル経済に向けた日中協力」をメインテーマにパネルディスカッションが行われました。

 参加したパネリストは下記の通りです。(敬称略)

【日本側】
山﨑達雄・前財務官(司会)
岩本敏男・株式会社NTTデータ相談役
木下雅之・NSユナイテッド海運株式会社取締役、元三井物産株式会社副社長
桑津浩太郎・株式会社野村総合研究所 研究理事
佐々木伸彦・富士通株式会社執行役員副会長、元経済産業審議官
中塚一宏・SBIホールディングス株式会社 常務取締役、SBIエナジー株式会社代表取締役社長、前金融担当大臣

【中国側】
王恵・元北京市政府スポークスマン・元北京市政府新聞弁公室主任(司会)
江涛・科大訊飛株式有限公司上級副総裁
高洪・中国人民政治協商会議第13期全国委員会委員、中国社会科学院 日本研究所研究員
徐喆・VIPKID大米科学技術公司CEO特別補佐
曲冰・360集団副総裁、「北京時間」株式有限公董事長
龍兵華・騰訊網(Tencent.com)副総編集長
趙承・百度公司副総裁
林嘯・華為(ファーウェイ)技術日本株式会社渉外・広報本部本部長
陳益強・中国科学院計算技術研究所ユビキタスコンピューティングシステム研究センター主任

要旨(デジタル経済)

 IT技術は米国発、特にGAFAと呼ばれる巨大IT企業を中心に世界に広がったが、中国はそうした新技術の社会実装において飛躍的な展開を見せたことにより、現在世界最大のデジタルプラットフォーム国になっている。
そうした中国の強みと日本の強み、例えば、日本の先端医療技術と中国のAI技術を結びつけることができればより大きな成果が得られる、という趣旨の発言が両国のパネリストから相次いだ。

 ただし、AIについては、技術が飛躍的に高度化していくと、人間のコントロール下から外れていく可能性がある。こうした「シンギュラリティー(技術的特異点)」をいかに制御するかは大きな課題であるが、例えばEUでは宗教的背景もあり、ロボット・AIの使い方について抑制的で、むしろ人間と敵対するものとして捉える傾向にある。そこで、そうした拒否感のない日中両国が協力して、人間とロボット・AIがうまく共存していくためのルールづくりを進めていくべきである、という主張が寄せられた。

 さらに、GAFAをはじめとする企業に個人情報が集積し、ビッグデータが形成される中、これをどのように管理、利用していくのか、ということも大きな課題である。個人情報に関する日本側の意識は非常に強く、これをいかに保護するかという問題提起がなされたが、中国側からは、ビッグ・プラットフォーマーが得た多くの情報をいかにして利活用すべきか、という視点が提示された。

 その他、中国における法規制の現状、とりわけ政府からのソースコード開示要求の問題について質疑応答が展開されるなど、様々なテーマについての議論が繰り広げられた。

⇒ 議論詳細をよむ (前半後半

要旨(脱炭素)

 世界におけるCO2排出量の割合は日中両国で約3割を占める。したがって、パリ協定の目標実現に向けては、日中両国はこれまでの様々な協力関係を土台としながら、さらなる協力を進め、CO2を削減していかなければならない、という提案が両国のパネリストから相次いだ。

 CO2削減策の具体的アイデアとしては、例えば、ビッグデータやAIなどデジタル技術を積極的に活用していくことや、企業が脱炭素に取り組むためのインセンティブ付与策としてESG投資の促進などが提示された。

 他方で、CO2を削減していく上では、「脱石炭」が重視されがちであるが、石炭という資源は世界にまだ豊富にある。そこで、環境に配慮しつつもできる限りこれを活用するという視点が必要との意見も見られた。

 中国側からは、中国国内では、発展している大都市と地方の格差があり、異なる措置や異なる目標を設定することも検討すべきとの意見もあったが、新技術の活用を通じた様々な試みを始めていくことの必要性では日中両国の間で意見の一致が見られた。

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