言論NPO(代表 工藤泰志)と中国日報社は、今回で6回目となる日中共同の世論調査を実施し、8月12日に、その調査結果の詳細内容を公表した。
この共同世論調査は、日中両国の相互理解や相互認識の状況やその変化を継続的に把握することを目的として、2005年から日中共同で毎年行われているものであり、今回も日中の両国民を対象として今年6月から7月にかけて実施したものである。この調査は2005年から2014年まで10年間継続して実施すること、そして調査結果を「東京-北京フォーラム」の議論の題材として取り上げることで、両国民の間に存在するコミュニケーションや認識のギャップの解消や相互理解の促進のための対話に貢献することを、言論NPOと中国日報社は合意している。
調査では、まず、中国人の対日イメージは改善傾向が顕著であり、今後の日中関係についても楽観的な見方が強まっている一方で、日本人の中国に対するマイナスイメージはなかなか改善が進んでおらず、日本人の半数が日中関係の改善に確信を持てない状況にあることが明らかになっている。認識の前提となる交流の度合い、情報源については、両国民の直接交流は依然として極めて少なく、相手国に関する認識はほとんどを自国のニュースメディアからの情報に依存している。この点は、過去5年間と比較して大きな変化はない。
また、日中両国民ともに日中関係が「重要」との認識は大多数を占め、日中関係と米国との関係については、両国民の多くが「どちらも大事」と見ている傾向は変わっていないが、中国人の中に米国重視の見方がこの一年で増加している。両国関係の懸念材料としては、「領土問題」との回答が最も多いが、「日中両国民に信頼関係がないこと」を選ぶ人も日中それぞれに多く、相互理解や信頼醸成の重要性を浮かび上がらせている。
さらに今回は、世界と日中の将来に関する両国民の認識を問うている。日本人は日本の将来を考える上で米国と中国の2国に強い関心を持っているが、中国人の関心は米国(7割)に集中しており、日本への関心は4割と差がついている。これからの世界政治をリードしていく国や地域を問う設問では、日本人の半数が今後も米国だと考えているのに対し、中国人は自国に自信を深め、今後の世界のリーダーは半数が中国と考えており、首位の米国に迫っている。中国経済の2050年については、中国人の8割が米国に並ぶか世界最大の経済大国になると予測しており、そうした見方をしている日本人も半数を超えている。ただ、日本の2050年に対しては、日本人では「中程度だが何の影響もない国」との回答が最も多く、中国人の方が「中程度だが影響力が非常に強い国」と日本の2050年をより積極的に予測している。
【調査の概要】
日本側の世論調査は、日本全国の18歳以上の男女(高校生を除く)を対象に6月16日から7月2日、訪問留置回収法により実施された。有効回収標本数は1000である。
なお、この調査と別に、言論NPOは有識者へのアンケート調査を世論調査と同じ時期に日本国内で実施した。これまで言論NPOが行った議論活動や調査に参加していただいた国内の企業経営者、学者、メディア関係者、公務員など約2000人に質問状を送付し、うち500人から回答をいただいた。回答者の最終学歴は、大学卒が72.6%、大学院卒が19.2%で合わせて約92%となる。これらは日本社会の平均的なインテリ層の姿を現していると考え、これらの意見と世論調査の結果を比較することで、一般的な日本人のイメージを補完しようと考えた。なお、世論調査では、回答者の最終学歴は高校卒が47.7%、短大・高専卒が15.0%、大学卒が18.4%、大学院卒が1.6%だった。
これに対して 中国側の世論調査は、北京、上海、成都、瀋陽、西安の5都市で18歳以上の男女を対象に、6月25日から7月9日の間で実施され、有効回収標本は1617、調査員による面接聴取法によって行われた。標本の抽出は、上記の5都市から多層式無作為抽出方法により行われている。
また、日本側の有識者調査に対応するものとして、中国では北京大学が実施主体となり、学生を対象としたアンケートを6月25日から7月9日の間に、北京大学、清華大学、中国人民大学、国際関係学院、外交学院の学生を対象に行い、1007人から回答を得た。
⇒世論調査結果詳細 をみる
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