日本の民主主義を立て直す

言論NPO設立15周年パーティー 報告

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言論NPO設立15周年記念フォーラム アドバイザリーボード公開会議
セッション2「日本は民主主義と自国の将来像をどう描くか」
セッション1「リベラルデモクラシーの行方:揺れる世界秩序と台頭するポピュリズム」
オープニングフォーラム「民主主義の将来と言論NPOの役割」


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 11月21日、ホテルオークラ東京にて、言論NPOの設立15周年記念フォーラムに続いて、15周年記念パーティーが開催され、日頃、言論NPOの活動にご支援、ご協力いただいている皆様、並びに、各界から200人を超える方々が集まりました。
 今回のフォーラムの司会進行は、言論NPO理事の田中弥生氏(大学改革支援・学位授与機構教授)が務めました。


民主主義を定着させるために、言論NPOへの期待を

YKAA1445.jpg まず、開会のあいさつに立った言論NPOのアドバイザリーボードの川口順子氏(明治大学国際総合研究所特任教授)は、今回のフォーラムやパーティーのテーマが「民主主義の将来と言論の責任」であることを紹介しながら、「今日ほど民主主義に懸念が広がっていることはない」と語りました。そして、川口は言論NPOが15周年という節目の年をスタートに、さらに民主主義を定着させていってほしいと言論NPOへの期待を示しつつ、参加者への引き続きの支援をお願い、あいさつを締めくくりました。


日中両国の関係改善に向けて、
民意をどうやってくみ上げ、一致させていけるかが課題

YKAA1464.jpg 続いて登壇した福田康夫氏(元内閣総理大臣)は、自身が最高顧問を務める「東京-北京フォーラム」が、日中関係が危機的な状況の時に始まったものの、12回も続けてこのフォーラムが続いているということは、日中関係も危機的な状況が続いているのだと指摘し、「今後も、言論NPOの必要性が無くなることはないのではないか」と語りました。一方で、こうした悪い状況を改善するためには、「まさに民主主義の原点である民意をどうやって汲み上げていくか、そして、お互いの国民の考え方を一致させるような努力をし、お互いの国民同士の理解が必要だ」と語りました。そのためにも、このフォーラムを引き続き開催し、日中両国の問題を乗り越えていくためにも、参加者に向けて「引き続きの協力をお願いしたい」と述べ、あいさつを締めくくりました。


今日という日を、次の15年を見据えたスタートの日に

YKAA1496.jpg 乾杯のあいさつとして登壇した言論NPOアドバイザリーボードの明石康氏(国際文化会館理事長)は、午後に行われた15周年記念フォーラムでの議論を振り返りながら、「民主主義の危機というのは我が国のみならず、アジアにおいて、世界において、ひしひしと感じられる大変痛切な問題だ」と語りました。その上で、明石氏はポピュリズムに陥らないためにも、真剣に侃侃諤諤の議論が必要であり、そうした議論を国内のみならず、国際的な議論に発展させる必要があると指摘。そうした取り組みを始めた言論NPOは、「15周年の今日という節目の日のみならず、来るべきさらなる15年を見据えながら、30周年を祝うことができるような力強い大きな、そして国民的支援を得た団体になって欲しい」と今後の言論NPOの発展に期待を寄せ、乾杯の発声を行いました。


中日関係が安定化し、発展していくために「北京-東京フォーラム」に期待

YKAA1503.jpg しばしの歓談の後、中華人民共和国駐日本国特命全権大使の程永華氏からの祝辞を、同公使の薛剣氏が代読しました。その中で程永華氏は、世界や地域の課題を解決に取り組んでいることに、敬意を表しました。そして、中日関係が非常に厳しい中でも、言論NPOが2005年から中国と共同で12回にわたり「北京-東京フォーラム」を開催していることについて、感謝の意を表明しました。さらに程永華氏は、来年は中日国交正常化45周年、再来年は日中平和友好条約締結40周年という非常に重要な節目の年を迎えることを踏まえながら、「北京-東京フォーラム」によって、両国の感情を理性的で前向きな方向に転換させ、中日関係が安定し、発展に向けてより多くのプラスのエネルギーを育てていくとの期待を寄せ、祝辞を締めくくりました。


米国民主主義の健全なところは、チェックアンドバランスが働いていること

YKAA1520.jpg 今回の15周年記念フォーラムのセッション1のパネリストとして登壇したコロンビア大学名誉教授のジェラルドカーティス氏は、11月8日の米国大統領選の結果を見て、びっくりして翌日に東京に飛んできたことを紹介。今回の15周年記念フォーラムに参加して感じたこととして、民主主義には時々変なことが起こるが、アメリカ型民主主義の健全なところは、チェックアンドバランスが働き、トランプ氏が変なことをすれば2年後の中間選挙で共和党はぼろ負けしてしまうということが起こり得ることだ、と語りました。さらに、民主主義にはそうした機能が存在しているので、大きくな心配はしていない、としながらも、言論NPOのような活動は稀有であり、今後も日本にとって、世界にとっても必要な活動だとして、今後の活動に期待を寄せました。


世論をベースにしたあるべき外交の姿勢を指し示すことに期待

YKAA1551.jpg 続いて登壇した衆議院議員の石破茂氏は、言論NPOが政府でもなく、大手メディアでもなく、そしてまたウォール街でもなく、東証第一部上場企業でもなく、そうではない本来の世論とは何なのか、ということを問い続けてきた団体だからこそ、「これからの日中関係、日米関係、日ロ関係において、世論をベースにした本当にあるべき外交の姿勢を指し示していくことを心から期待したい」と語り挨拶を行いました。


アジア地域は各国が協力して政策を進める必要性がある

YKAA1570.jpg カーティス氏と同じく、今回の15周年記念フォーラムのセッション1のパネリストとして登壇した元インドネシア外相のハッサン・ウィラユダ氏は、言論NPOが15年間、様々な議論の場づくりを行ってきたことに敬意を表しました。その中で、今年から、インドネシア、インド、日本との対話が実現したものの、この地域はそれぞれの国が協力して政策を進める必要性がある。言論NPOの近年の活動の重要性を指摘し、さらなる活動の拡大へ期待を表明しました。


 その後、数多く寄せられた祝電の中から、山田啓二・京都府知事、前総務大臣の新藤義孝氏の祝電が読み上げられました。


政治と有権者の間にきちんとした緊張関係をつくり、
こうした動きを若い世代に繋げていくことこそ、この5年の使命

YKAA1593.jpg その後、登壇した工藤は、今後の活動についての決意を表明しました。その中で工藤は、言論NPOはこの15周年、特別な思いを持って臨んでいるとして、「日本の民主主義を今後、発展させるためのきちんとした舞台をつくり、それを次の世代に繋げたい」と考えていることを表明しました。その中で工藤は、「民主主義は完全なものではなく、危ういものだが、人にお任せするのではなく、我々が主人公だと思って課題に挑まなければいけない。こうした舞台を私たちは大事にして、発展させたいと考えている」と語りました。そのためにも、「日本の民主主義を再点検し、民主主義を構成する様々な制度やシステムに対する改革案を提示すること」、「課題解決に向け、言論界に適切な競争を生み出すためにメディアを評価すること」、「課題解決に向けて市民や有識者の声を政府や政治に伝えていく対話の舞台をつくること」などを実現し、政治と有権者の間にきちんとした緊張関係をつくり出したい、との思いを語りました。

 さらに工藤は、来年3月に世界の10カ国のシンクタンクを集めて、世界の民主主義、アジアの民主主義のための議論を開始することを表明。併せて、世界の課題に私たちが向かい合い議論をするだけでなく、直接G7やG20に提案することも掲げ、こうした流れを次の若い世代に繋げていきたい、と次の5年にかける決意を語りました。


 こうした工藤の決意表明を受け、言論NPOのアドバイザリーボードが、次々に登壇し、代表工藤の決意を応援するために、居並ぶ参加者にお願いを今後の支援などについて、お願いを表明しました。


言論NPOアドバイザリーボードからの叱咤激励と支援のお願い

YKAA1627.jpg まず、登壇した言論NPOのアドバイザリーボードの大橋光夫氏(昭和電工最高顧問)は、この15年は大変だったと思うが、今後の15年は、混沌の中でどのような秩序を作っていくかという点でもっとも大変だと思う、と指摘。一方で、戦後の日本と比べると次の15年も無理なことではないと語り、言論NPOが次の15年に挑戦していくためにも、多くの人たちの支援が必要と呼びかけ、参加者に支援を求めました。

YKAA1640.jpg 続いて登壇した大和総研理事長の武藤敏郎氏は、十数年前、言論NPOの活動が、日本にとって、極めて重要な事だと痛感したことを紹介。継続は力なりとは言うが、次の5年ということは2020年の東京オリンピックが終わるころであり、日本の転換点は4、5年後に来る、その時はオリンピックと一緒に来るということを指摘し、本当の意味での正念場をどう迎えるか、今後の活動が重要だと語り、言論NPOの今後の活動の期待を寄せました。

YKAA1657.jpg アドバイザリーボード、最後の挨拶として登壇した長谷川閑史氏(武田薬品工業株式会社取締役会長)は、アメリカ外交問題評議会が創設したシンクタンク会議、カウンシル・オブ・カウンシルズ(CoC)に日本代表として選ばれたことは「非常に立派な成果だ」と紹介。その上で、先に述べた工藤の決意を実現するための一番の基盤は財政である、と指摘し、言論NPOが日本を代表して、世界のシンクタンクと対等に戦っている体制を作っていくためにも、ぜひ、更なる支援をお願いしたいと語りました。


具体化し始めた言論NPOと日本青年会議所との連携に期待

YKAA1683.jpg 続けて行われた来賓あいさつのトップバッターとして登壇した日本青年会議所副会頭の青木照護氏は、青年会議所が来年から委員会の名前を「民間外交グループ」に改名することを紹介。さらに、青木氏がパネリストとして参加した9月開催の「第4回日韓未来対話」での出来事を振り返り、「言論NPOのまったく予定調和ではないやり方が、非常に私に合っており、言論NPOが大好きになった」と語りました。続けて青木氏は、目標にむかってがむしゃらに突き進みながら、周囲の意識を変革していく人を「豪傑」と呼んでいると述べた上で、「工藤さんはまさに豪傑であり、私も工藤泰志という豪傑に巻き込まれた犠牲者の一人だ」と、ユーモアを交えながら語りました。

 最後に青木氏は、来年、自身が日本青年会議所の会頭になることを念頭に、「先輩たちが築き上げてきたネットワークを最大限に活用しながら、言論NPOのような、未来対話を、若者をターゲットにして、世界中に広めていきたい。そのためにも、言論NPOと日本青年会議所で様々な連携をしていきたい」と今後の連携の具体化に期待を寄せました。


民主主義が問われている時だからこそ、私も活動に参加していきたい

YKAA1701.jpg 続いてあいさつに立った衆議院議員の松本剛明氏も、工藤のことを豪傑であり、その犠牲者だ、という青木氏の発言に同意を示しながら、「暑さにこちらが参ることがあるものの、なぜか、熱量というか、またその熱さを感じたくなる魅力がある」からこそ、多くの人の支援が集まるのだろう、と語りました。

 その上で松本氏は、「2016年、日本や世界において、どのような民主主義を作るのかということが問われる年に、15周年を迎えるということは、まさにタイミング、巡り合わせであり、言論NPOの活動が改めて問われる15周年だからこぞ、我々も熱い、暑苦しいと思いながら、またその熱さを感じたいと思い、引き続きご一緒させて頂きたい」とあいさつを締めくくりました。

YKAA1799.jpg その後の歓談の後、中締めの挨拶として、中国大使も務められた宮本雄二氏(宮本アジア研究所代表)が登壇しました。まず、宮本氏は、言論NPOが15周年を迎えることができたことに、これまでご支援いただいた方々に謝意を示しました。

 続けて、宮本氏は、工藤という人間が、利害、損得の計算ができない一方、夢や理想が大きく、その実現に邁進し、その過程で多くの人を巻き込みながら日本の変革を生み出していっていることを指摘し、「工藤という人物は、間違いなく、坂本龍馬に比するかどうかだ」と語りました。その上で宮本氏は、言論NPOの財政基盤強化のためにも会員への入会とご支援を引き続きお願いしたい、と締めくくり、閉会の挨拶に変えました。

 言論NPOは11月21日に、1つの節目である丸15年を迎えることができました。これも日頃より、言論NPOの活動にご支援、ご協力いただいている皆様のおかげです。この場をお借りして御礼申し上げます。

 言論NPOは16年目に入り、国内外の課題解決に向けて、様々な挑戦を行っていきます。引き続き、私どもの活動にご支援いただきますよう、改めてお願い申し上げます。

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言論NPOの活動は、皆様の参加・支援によって成り立っています。

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