第6回エクセレントNPO大賞
受賞者協賛企業インタビュー

2019年1月23日

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医療従事者らの自己実現の場として、
「体だけ診る」医療にはない役割を果たしていきたい

「第6回エクセレントNPO大賞」
大賞・組織力賞 受賞

渥美隆之氏
(認定NPO法人がんサポートコミュニティー 理事長)

聞き手:田中弥生氏
(「エクセレントNPO大賞」審査委員、大学改革支援・学位授与機構特任教授)


活動だけでなく、組織運営の自己点検という趣旨に気づき応募した

田中:「第6回エクセレントNPO大賞」を受賞された「がんサポートコミュニティー」です。このたびは大変おめでとうございます。

渥美:身に余る光栄です。ありがとうございました。本当に想定外のことで、驚いています。
うちの事務局から「応募したい」という話があったとき、実はそれより前には、私はこの賞のことはあまりよく分かっていなくて、こっそり調べました。そうすると、私は医師をしていておりますので、評価の質問のやり方が、病院の機能評価機構の質問のような感じで、「そうか、これは、団体の活動もさることながら、そういった組織運営についてもとても大事だ」ということでされている企画かな、と思った次第です。

田中:それは私たちとしても大変うれしいコメントです。応募して賞を取るだけでなく、こういう基準を理解していただいて、自己点検していただくというのが最初の目的だったので、その意図をよく理解していただいたと思います。実際に書いてみていかがでしたか。

渥美:シートを書き込むという意味では、事務局長がおおよそ書いてくれて、「こういうところはこういうふうにしましょう」「こういうふうにしましたよ」と報告を受ける形ですが、書き慣れない団体にとっては、なかなか、それはそれで大変なのではないかと思いながら見ておりました。


次世代の担い手はなぜ集まってくるのか

田中:そこは私たちの改善点でもあります。それから、受賞した理由の中に、世代交代にどう対応するのか、ということがあり、そこを先駆的になさっているとのことですが、少しだけ、どんなふうにプランを作っているのか教えていただけますか。

渥美:代表として、医師として私はかかわっていますが、現場というのは、医療者がいるとかえって不都合な面もありますので、主として、臨床心理士とか、そういったパラメディカルの人たちが手伝ってくれています。彼ら彼女らも、それなりに働けば報酬はその時間で得られるのですが、我々の活動の特殊性を理解してくれて、自己実現の場として参加してくれているということで、かえって、「こういった役割の人を養成したいと思います」という企画には、意外に人が集まってくれて、応募してくれる人たちにも感謝しています。

田中:それだけ、自己実現の場になっている、つまり市民性を育んでいるということですね。

渥美:特に、亡くなってしまう患者さんの多い分野では、医師も、チームとして参加してくれている看護師も、無力感はかなり強いものがあります。「体だけ診ればいいかな」と思っているうちが、ある意味ではお医者さんも看護師さんも働き盛りの時期なのですが、自分も年をとってみると、「それだけでは足りないね、人が救われるというのはそういうことではないよね」ということが分かってきて、そういう役割を担いたいということで、参加してくれていると思っています。

田中:とても自分のこととして伺っていました。これからもますます、「人生100年時代」の中で、おっしゃっているような需要は高まってくると思います。「がんサポートコミュニティー」のますますの発展をお祈りしています。どうもおめでとうございました。

渥美:ありがとうございました。見守っていただけるとありがたいです。

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