今回の選挙を「有権者主体の政治」の実現に向けたスタートに

2012年11月17日

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今回の選挙を
「有権者主体の政治」の実現に向けたスタートに


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工藤:言論NPOの工藤です。今日は衆議院が解散し、いよいよ選挙が始まるという非常に重要な日でした。解散したということについては、よく決断してくれたと思いますが、今の日本の政治を見て、実を言うと、私は非常に怒っています。なぜなら、日本の政治の眼中には有権者という存在がないのではないか、という気がしているからです。ここまで選挙の決断が遅れたのはなぜなのか。それは、次の選挙で有利になる日はいつか、どうやったら当選しやすいか、ということだけだったわけです。しかし、今、日本が直面している課題は沢山あって、未来が見えなくなっている状況です。そういう状況を改善するために、日本の政治がどれぐらい真剣に取り組んでいるのか、政策評価をやっている私たち言論NPOから見れば、非常に気になるところです。つまり、社会保障や成長戦略、エネルギーという課題に対して、何の答えもない。そして、答えが出せないから、今回の選挙でも曖昧なマニフェストになる可能性があるわけです。

 私は、この緊張感のない日本の政治を変えないと話にならない、という感じがしています。政治家に有権者の姿が見えないということは、日本の政治にとって、有権者が怖い存在ではないのだと思います。だから私は、今、有権者が怒るべきだと思っています。こんなに日本の未来が見えないのに、永田町は自分のことしか考えていない。そういう政治で本当にいいのだろうか。しかし、実を言うと、そういう政治を選んだのは私たち自身です。だからこそ、今度の選挙は、自分達が本気になって日本の政治を考えて、自分達で選んでいかなければいけない、そういう局面に来たのだと私は思います。

 今日から始まった投票までの1カ月間、あっという間に終わってしまうと思います。今、私が一番気にしていることは、あっという間に選挙期間が終わって、日本が直面している課題について何も議論が深まらないまま、投票日を迎えてしまうのではないか、ということです。我々は、どこに投票したらいいかわからないまま、投票日を迎えてしまう。そういうことになってしまったら、非常にマズイと思っています。だからこそ、私たちは、本当に真剣な政策論争を求めなければいけないし、本気で日本の課題に向かい合わないような政治家は、やっぱり当選させてはいけない、それぐらいの気持ちにならなければいけないと思っているわけです。

 今日、解散になったので、言論NPOは投票の際の判断材料になるように、様々な取り組みを行っていきますが、言論NPOだけが努力しても何も変わりません。有権者が本気にならない限り、何も変わらないのです。ですから、私は「今回は、本気になってみませんか」ということを皆さんに問いかけたいと思います。言論NPOは、様々な政策課題について政治家が何を考えているのか、ということを政治家にぶつけ、皆さんにどんどんフィードバックをしていこうと思っています。そういう風な、緊張感ある選挙をどうしてもつくりたいと思っていますし、ぜひ皆さんにも協力して欲しいと思っています。

 これから投票日までの30日間、言論NPOは選挙の際の判断材料となるものを発信していきます。そして、今回の選挙を、有権者が主体となる政治をつくるためのスタートにしたい。時間がかかるかもしれませんが、「有権者主体の政治」というゴールに向かって、その一歩を踏みだそう、ということを皆さんに提案して、私の決意表明にしたいと思っています。


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