【vol.46】 言論NPO政策評価委員会・作業委員紹介(1)

2003年9月16日

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■■■■■言論NPOメールマガジン
■■■■■Vol.46
■■■■■2003/09/16
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●INDEX
■ 言論NPO政策評価委員会・作業委員紹介(1)
■ 言論NPOアジア戦略会議「2003年度第3回会議」ご意見/ご質問募集

●TOPIX
■ アジア戦略会議「2003年度活動方針」更新
■ 「2003年度 第1回言論NPOアジア戦略会議」報告
■ アジア戦略会議勉強会「アジアの2025年」報告


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■ 言論NPO政策評価委員会・作業委員紹介(1)
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言論NPOは、政策評価事業を開始しました。現在、政党政治のあり方として、各政党
によるマニフェスト(政権公約)の作成が提案されています。言論NPOでは、こうし
たマニフェストを中立的な立場から評価することを通じて、責任と実行性のあるマニ
フェストの作成を各政党に促すことができればと考えています。日本に真に政策本位
の民主主義が根付くためのインフラを整えるためにも、こうした試みが必要だと考え
ました。


●湯元健治 (日本総研総合研究所主席研究員)

「日本経済の長期低迷が続いてきた一つの大きな背景として、政府や政策に対する国
民の信頼感が大きく低下してしまったことがあります。そうした中で、小泉政権が登
場し、「痛み」を恐れず思い切って日本経済の構造を変えていこうとした。国民もこ
れに賛同したからこそ、構造改革が2年間進められてきたわけです。

ところが、現実の経済は、デフレの深刻化など悪化傾向が続き、構造改革に対する批
判も強まってきました。この2年間を振り返ってみると、「そもそも構造改革とは、
どのような改革を、いかなるビジョンに基づき行うのか、日本の経済社会をどのよう
な姿に変えていくのか、そのために、どういう政策が具体的に打たれ、どのような方
向に我々は進もうとしているのか」ということが、国民にとって非常に見えにくかっ
たのではないかと思います。本来、この点をキチッと評価する仕組みが求められてい
たのですが、官のサイドだけでなく、民間サイドにも政府の政策を評価するプロセス
が無かった訳です。

そういう意味で、この言論NPOの新しい試みは極めて重要であり、これが一つの切っ
掛けになって、小泉政権の政策評価だけに留まらず、日本の政治、政策全体が民間に
よる政策評価を基本として正しい方向に進んでいく原動力になっていければと思って
います。私自身はその一助になればとの思いからこのプロジェクトに参加させていた
だきました。これからも、気合いを入れてやっていきたいと思っています。」

●益田安良 (東洋大学経済学部教授)

「この評価プロジェクトをやろうと思ったのは、日本ではどうしても、政策の中身に
入ったきちんとした評価が出来ていない。だから政策論議ができないんだ、という問
題意識から始まった。そういう課程できちんと客観的に、冷静に小泉政権がやってき
た政策をきちんと評価したい、ということでやってきた。

ただ、いざ始めてみると、なかなかこれが難しい。何で難しいかというと、政策を検
証するデータベースみたいなモノがない。整備されていない。非常に脆弱だ。我々も
試行錯誤をしながらやっているわけですが、評価が出来ないと言ってもしかたがない
ので、なんとかマニフェストを作って、政策本位の政治を実現するためのまず第一歩
として、これまでの改革の成果を出来る限り評価をしてみよう、ということで作業を
進めているところです。」

●川本裕子 (マッキンゼー・ジャパン シニアエクスパート)

「日本経済が低成長になるなかでは、どの政策もあらゆる人のニーズを満たせない状
況となっており、その中では政策の選択を有権者に提示することが求められていると
考えます。ただ、自民党を中心とした政治が長らく続く中で、政策の提起は非常にあ
いまいになり、本来はさまざまな分野や階層、世代間で政策がもとめる対立軸がはっ
きりしているのにもかかわらず、それが提起されないことが続いてきました。私は、
あるべき政策の対立軸をはっきりさせることが、政策論議をより深めることになり、
それを提示する政党を国民が選ぶようにならないと、本当の意味で日本の政治は変わ
らないように思います。そうした政策の対立軸をより先鋭化する立場から、この評価
作業は始まりました。

政策を軸とした政治の評価を進めるためにもまず最初にやらなくてはならないこと
が、改革を軸にして政策決定を進めてきた小泉政権の改革の評価でした。私もその一
員として作業に参加しましたが、その作業の中から論点や対立軸を浮き彫りにしたい
と考えたのです。私たちは今、最終的には二大政党による政策選択の新しい政治の枠
組みへの転換過程を経験しています。その中ではより科学的な手法でこの評価の作業
が実現できたら、と思っています。」


●言論NPO政策評価委員会
https://www.genron-npo.net/forum/policy/index_policy.html

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■ 言論NPOアジア戦略会議「2003年度第3回会議」ご意見/ご質問募集
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言論NPOアジア戦略会議では、来る9月18日、京都大学教授の白石隆氏をゲストス
ピーカーに迎え、以下の内容で議論を行います。本年度より本格スタートしたアジア
戦略会議では、事前に皆様からご質問/ご意見等をお寄せいただき、当日、可能な限
りこれに答えていきます。今回の会議に向けて、皆様の創造的かつ活発なご発言をお
寄せ下さい。

●第3回アジア戦略会議 議題
(1) 9.11以後、インドから日本にまたがる「海のアジア」において、米国のプレゼ
   ンスはどう変わったか。米国の世界覇権には、賞味期限というものがあるのだ
   ろうか。

(2) イスラムは、アメリカとの対抗軸を形成し得るのか。イスラム世界のネットワー
   ク的な成り立ちは、日本人に見えにくい。その動向を見る際のカギは何か。

(3) インドネシアを始め、イスラム教アジアは日本のアジア戦略において、どんな位
   置付けを持つべきか。


●ご質問/ご意見はこちら
https://www.genron-npo.net/forum/asia/030911_01.html


※発言は言論NPO会員であるか、事前にモニター登録が必要です。
 登録はこちらから。
https://www.genron-npo.net/net/monitor/net_monitor_form.html


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●TOPIX
■ アジア戦略会議「2003年度活動方針」更新
https://www.genron-npo.net/forum/asia/030811_01.html

■ 「2003年度 第1回言論NPOアジア戦略会議」報告
https://www.genron-npo.net/forum/asia/030910_01.html

■ アジア戦略会議勉強会「アジアの2025年」報告
https://www.genron-npo.net/forum/asia/030909_01.html


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  ┏━━━━━━━━━━━━ 会員募集 ━━━━━━━━━━━━━┓
   言論NPOは、ウェブサイト以外に、出版、政策フォーラム、
   シンポジウムなど、多様な活動を展開しています。

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   1. 現在のマスコミが果たしていない建設的で当事者意識をもつ
     クオリティの高い議論の形成
   2. 議論の形成や参加者を増やすために自由でフラットな議論の場の
     形成や判断材料を提供
   3. 議論の成果をアクションに結び付け、国の政策形成に影響を与える

   この活動は、多くの会員のご支援によって支えられています。
   新しい日本の言論形成に、ぜひあなたもご参加ください。
   https://www.genron-npo.net/guidance/member.html
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