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【笹川平和財団ニューズレター】 「言論NPO」の目指すもの

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2003/3 No.55 笹川平和財団ニューズレター
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「言論NPO」は、2001年10月「日本を変える挑戦者たちの知的ネットワーク」として活動を開始、同年11月にNPO法人の認可を取得して正式発足した。

会員は、学者やエコノミスト、ジャーナリスト等の言論人から、政府関係者等の政策当事者、企業経営者、各種団体の役員、行政や企業で活躍する方々まで、各界の幅広い層に及び、現在では450人の会員組織になっている。言論NPOのアドバイザリー・ボードには、小林陽太郎・富士ゼロックス会長、北川正恭・三重県知事、佐々木毅・東京大学総長、宮内義彦・オリックス会長、評論家の山崎正和さんの5氏が名を連ねている。理事会には、藤澤義之・メリルリンチ日本証券会長、横山禎徳・元マッキンゼーディレクター、松井道夫・松井証券社長等13氏が参加している。そうした方々が個人の資格でNPOに参加し、日本に質の高い責任ある建設的な言論の舞台をつくるため、インターネット(www.genron-npo.net)でのウェブ論争、会員参加型の議論の場となるネット会議、クオリティ雑誌の発行、各種フォーラム等を連動させた活動を行っている。

「言論NPO」は、現在の日本の低迷や閉塞感がここまで長期化した責任の一端は、マスコミ等の言論側にあるとの反省から、個人の参加によるNPOで建設的な議論の形成、つまり言論活動(ある意味ではメディア)に挑戦しようと考え、設立されたものである。日本の多くのメディアの議論が目の前の問題や傍観者的な批判のための議論に費やされ、この間、同じ議論を繰り返してきた。日本がいまの経済的な困難を自ら打開し、世界の変化の中で新しい日本の将来を築き上げるためには、当事者意識をもった本音で議論し合える舞台が必要だと考えたのである。

日本の将来のために問われているのは真の国際化
この1年間余り、私たちは日本が自らの活路を切り拓くため、当面の経済政策や政治や企業経営の改革等さまざまなテーマで議論を行ってきた。会員参加型のインターネットでの議論をクオリティ誌での論争に発展させ、可能な限り関係者にヒアリングを重ね、対立点や見解を公表し、それに基づいて論点が建設的に発展し、政策提言につながるような論議を行ってきた。

言論NPOの役割は、こうした建設的な質の高い議論の形成や議論に参加していただくための判断材料の提供のほか、議論からプロダクトを生み出し、その実現のために提言等のアクションを起こすことにある。そのため提言の策定を目的にした各種会議も開催している。笹川平和財団に助成をいただいている「アジア戦略会議」もその1つだが(2002~04年度助成「言論NPO:知的言論の活性化と国際社会への発信」事業)、これらの会議の議論はすべて公開され、インターネットの英語版で海外にも広く発信されている。

我々が議論を行う際の基本的な立場は、「個人主義と自由主義」にある。官依存や政府依存から個人が自立し、挑戦することの重要性をこの間、さまざまな議論の中で提起してきた。言論NPOは小泉改革の開始と前後して発足したが、その際、日本の改革を1人の政治家に任せるのではなく、国民自らの問題として向かい合おうと呼びかけたのは、そのためである。世界のダイナミックな変化が進む中で、日本の変革はあまりにも遅く、むしろその動きから取り残され始めていることを我々は懸念している。それを打開するためには、自立した個人がさまざまな形で参加する、新しい日本の国づくりのための建設的な議論の舞台が必要なのである。

私は、日本で始まっている経済の構造改革は日本の将来選択につながる一連の改革の始まりだと考えている。そしてその議論を進めるためにも、日本はアジアの中、ひいては世界の中での自らの姿をとらえ直す必要があると考えた。「アジア戦略会議」ではこのような問題意識から、国内の有識者15人がメンバーとして参加し、議論を重ねてきた。議論はまだ中間段階だが、そこでの共通認識は、アジアの活力を自らのものにし、新しい日本の将来を築くためにも真の国際化が問われている、ということだった。我々は3月に「変貌するアジアに日本はどう向かい合うか一真に開かれた国づくりを目指して」をテーマにシンポジウムを開催し、2003年度は具体的な提言作成のための議論に入ることにしている。

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