【インタビュー】言論NPOエコノミスト会議からの質問に答える

2001年10月10日

takenaka_h0109.jpg竹中平蔵 (経済財政政策担当大臣)
たけなか・へいぞう

1951 年生まれ。一橋大学経済学部卒。日本開発銀行、大蔵省財政金融研究所研究官、ハーバード大学客員准教授、慶応義塾大学総合政策学部教授などを経る。経済戦略会議、IT 戦略会議の主要メンバーとして政策提言を行い、テレビ・雑誌など幅広い分野でも活躍してきた。主な著書に『研究開発と設備投資の経済学』、『対外不均衡のマクロ分析』、『経世済民―経済戦略会議の180日―』、『経済ってそういうことだったのか会議』(共著)、『みんなの経済学』など。

概要

竹中大臣へのエコノミストの主な質問は以下のとおり

1. このデフレ下のなかで、政府のマクロ政策の目標はどこにあるのか。その点で政府と日銀の政策目標は一致しているのか。一致させるために、どのような協調体制が必要と考えるか。実質成長率のマイナスはあくまでも阻止するのか。それともデフレスパイラルへの回避を目的とするのか。

2. 日銀の政策目標を政府が設定する場合、その目標はインフレ率か、物価水準か、名目経済成長率か。量的緩和は供給力削減のなかで矛盾しているのではないか。むしろ利上げが必要との議論をどう考えるか。

3. 税収不足のため、30兆円の限度額を守れないときは、発行限度をあげるか、それとも目標を支出上限に切りかえるか。30兆円の枠はあくまで堅持するのか。このデフレ下で、政府は不良債権処理よりも財政再建のほうに力を入れているような印象があるが、その優先順位をどう考えているのか。

4. 国民の購買力を増加させるために、減税や、電話代の値下げや通信料の自由化を進め、規制価格を下げる考えはないか。

5. 不良債権とその裏側の過剰債務を解決するために、政府は、より主体的にこれを加速させる考えはないのか。一時浮上した、産業再生委員会が工程表からはずされたのはなぜか。政府は、90年代に蔓延した、行き過ぎたレッセフェール思考に臆せず、主体的に産業政策を実施すべきではないか。銀行が国有化されるような事態になった場合、銀行とその裏の債務者問題にどのような考えで臨むのか。

6. 構造改革を進めるため、失業保険の拡充(適用期間の延長)をなぜ大幅に進めないのか。

7. 構造改革の進め方が遅いというマーケット側の批判にどうこたえるか。

8. 工程表にのっている立法プロセスで造反者が出た場合、どのような報復措置をとるか。


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1. このデフレ下のなかで、政府のマクロ政策の目標はどこにあるのか。その点で政府と日銀の政策目標は一致しているのか。一致させるために、どのような協調体制が必要と考えるか。実質成長率のマイナスはあくまでも阻止するのか。それともデフレスパイラルへの回避を目的とする