【座談会】歪んだ日本の政党政治が生むスキャンダルの連鎖

2002年5月15日

iio_j020425.jpg飯尾潤 (政策研究大学院大学教授)
いいお・じゅん

1962年生まれ。東京大学法学部卒業、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。専攻は政治学・現代日本政治論。埼玉大学助教授を経て、政策研究大学院大学に転任、2000年より同教授。著書に『民営化の政治過程』等。

ueyama_s020425.jpg上山信一 (慶応義塾大学教授)
うえやま・しんいち

京都大学法学部卒。米プリンストン大学大学院公共経営学修士。米ジョージ・タウン大学研究教授。運輸省、外務省、マッキンゼー・アンド・カンパニー(共同経営者)を経て、現職。主な著書は「自治体DNA革命」「行政評価の時代」等。

hoshi_h020425.jpg星浩 (朝日新聞編集委員)
ほし・ひろし

1955年生まれ。東京大学教養学科卒。79年に朝日新聞社に入社。85年から政治部。97年から98年にかけてワシントン特派員。政治部デスクを経て2000年から政治担当編集委員。

概要

鈴木宗男氏、辻元清美氏、加藤紘一氏......次から次へと噴き出す政治家のスキャンダルが浮き彫りにしたのは、いまだ金権腐敗の温床が政治に存在しているという事実である。毎年の恒例行事のようになった政界スキャンダルを根こそぎ一掃するためには、何をどうすべきか。気鋭の政治学者・飯尾潤氏、行革から企業戦略にまで精通するジョージ・タウン大学教授・上山信一氏、朝日新聞社の政治記者・星浩氏の3氏による議論は、日本の政党政治のあり方にまで及んだ。

要約

公共事業の口利き、名義だけの政策秘書、政治資金の私的流用──連日のように報じられる数々の政界スキャンダルは「10年も昔から何度も繰り返されてきた問題」(飯尾)である。しかし今のメディアの議論は真相を解明するまでには至らず、「枯れ野に火事が燃え広がるように疑惑が次から次へと暴かれ、記者はそれを追いかけるだけで手いっぱい」(星)という状況だ。

政治家のモラルに対する国民の目はかつてないほど厳しい。たとえ疑惑の中心にいた政治家が辞任・離党・辞職をしても、言葉をあやつるだけで自らの責任を明確にしないなら、国民は決して納得しないであろう。問われた責任は法的責任であるのか、あるいは政治的責任か道義的責任か。それは個別具体的にはっきりされなければならないし、またメディアはその区別を認識しつつ疑惑の人物を追及しなければならない。

だが、この10年来のスキャンダルの連鎖を今ここで断ち切るためには、モラルに欠ける政治家に退場してもらうことと同時に、機能不全に陥った政党をも何とかする必要がある。今の日本の政党は「組織性も基本的なマネジメントも不在だ」(飯尾)という体たらくだが、「NPOによる動きや発想を取り入れる」(上山)ことによって、新しい、西欧的な、本当の意味の政党が立ち上がってくる可能性はある。そうして国会議員の相当数が入れ替わり、政界の古い因習が消え去れば政治の堕落は減少し、また民主主義の国でありながら事実上これまで経験したことのない政権交代も可能になるであろう。


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 鈴木宗男氏、辻元清美氏、加藤紘一氏......次から次へと噴き出す政治家のスキャンダルが浮き彫りにしたのは、いまだ金権腐敗の温床が政治に存在しているという事実である。毎年の恒例行事のようになった政界スキャンダルを根こそぎ一掃するためには、何をどうすべきか。