「東京会議」参加シンクタンクのトップが感じた会議の意義と、今後の可能性

2017年3月04日

仏の情勢も不透明だが、これからEUそのものが課題に直面する

MHI_4742.jpgトマ・ゴマール
(フランス国際関係研究所)

工藤:ありがとうございました。東京会議に参加して、どのような感想をお持ちですか。


成功した今回の東京会議

ゴマール:第1回にも関わらず、大成功だと思います。G7にインド、インドネシア、ブラジルと言う形で凄くいいシンクタンクが参加していました。それから、選ばれたトピックスも凄くよくて、タイムリーな話題でした。今、民主主義が大きなチャレンジを深く受けている現状で、かつ、民主国家が今問題を抱えているということで、凄くよかったと思います。

工藤:今回のテーマは、自由と民主主義という問題なのですが、特に、今回、G7に対するメッセージを出しました。ゴマールさんは、フランスの事情も踏まえながら、民主主義はどういう問題を抱え、自由と民主主義を私たちはどのように考えればいいとお思いですか。


EUプロジェクトの未来に向けて、EU各国は連携を強める時期

ゴマール:フランスの場合、今、政治的に不透明感が出てきています。大統領選が5月に行われることになりますが、この時点までは政治的には見えない状況が続いていくと思います。極右政党のマリン・ルペン氏が勝つ可能性もあるわけですから、フランスの情勢は非常に不透明であるというのが現状です。

 また、大統領選のみならず、EUというプロジェクトの未来、ドイツでも選挙が行われますが、そちらが果たしてどうなっていくのか、ということが非常に大きな課題になってくると思います。ただ、EUという大きなプロジェクトについては、ブレクジットがあったものの、しっかりとした決意を持って進めていかなければいけないと思います。なぜなら、民主主義にとってもそうですし、EUプロジェクトの未来にとってもドイツ、イタリア、並びにその他のEU諸国としっかりと連携を強めなければいけない時期だと思います。

工藤:今回は、我々は自由と民主主義を守り、発展させる立場でいろいろなチャレンジをしてきたのですが、ご協力に本当に感謝します。これからも、いろいろな形で協力しながら、やっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。


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