「東京会議」参加シンクタンクのトップが感じた会議の意義と、今後の可能性

2017年3月04日

G7への提言を実現するためにも、相互理解を高めることが必要

MHI_4715.jpgカルロス・イヴァン・シモンセン・レアル
(ジェトゥリオ・ヴァルガス財団総裁)

工藤:まず、今回、「東京会議」に参加しての感想をお願いできますか。


これから、日本の貢献が重要になってくる局面に

シモンセン・レアル:まず、今回、東京に来ることができてとても嬉しく思いました。そして、今回の会議に参加して2つわかったことがあります。まず、私たちのカウンターである言論NPOが、これだけ難しい国際問題に対して非常に深い知識を持っているということが明らかになりました。もう1つが、これだけ難しい、しかし重要な事柄に対して日本人はうまく調整していく能力があるのだということがわかりました。

 今、世界は本当に難しい局面にある中で、これからさらに日本の貢献というのは重要になってくると思います。

工藤:次に、「自由」と「民主主義」というものに言論NPOは非常にこだわっています。しかし、今、こうした自由や民主主義が世界で大きなチャレンジを受けていることについて、私たちはどう考えていかなければいけないのでしょうか。


相手と意見が違う理由を知ることが重要

シモンセン・レアル:個人的な意見ですが、民主主義が危機に立たされているという意見はあるものの、ヨーロッパや東南アジアから参加される方と私はおそらく違った観点を持っていると思います。なぜかというと、私の国は世界の中でも離れた場所にあるということ、そして、民主主義の成熟化の途中にあるということです。もちろん問題は私たちの国家にもありますが、その問題に対して対策なども打つことができているという状況です。

 ただ、他の世界の国々と比較をしてみると、ブラジルには優位な点があると思っています。というのもヨーロッパ、アジア、アメリカなどはそれぞれに長い歴史や文化があり、それに縛られている面があるのではないかと思います。そうした点では、私たちの見方は、もう少し楽な気持ちで見ることができていると思います。これからとても大きな競争というものが今後も続き、さらに大きくなっていくわけです。その中で、文化という点でも競争する中で、ヨーロッパはヨーロッパだけの問題、アジアはアジアだけの問題、アメリカはアメリカとしての問題、ということでは務まらないのです。

 ブラジルでは「他の人の靴を履いて、その立場になって考えなければいけない」ということをよく言います。なぜ相手がこのようなポジションを取っているか、理解に努めなければいけないのかというと、日々の生活においても一番危険なのは合意、一致を取れないことではなくて、意見が合わない、そして理由も理解できていないというのが一番の問題だと感じるからです。

 昨日の会議の中で日本国の外務大臣がいらして、バランスを取ることの重要性を仰っていました。ただ、バランスを取るにあたっては他のポジションを理解して初めて成せるものであり、疑問、クエスチョンをより深く考えることによって達成できるものなのです。

 そして今回、言論NPO、そしてその他のシンクタンクが東京に一同に集まり、昨日は日本国の外務大臣閣下に緊急メッセージを手渡しました。レターは日本国政府に向けたものではなく、G7に向けたものです。あの宣言の中に書かれた内容に私は心から共感します。あそこに書かれていることを実現するためにも、よりお互いに理解を高め、より多くの対話を持っていくことが必要なのだと思います。

工藤:ありがとうございました。今の話は非常に良いと思いました。


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