世界の課題に挑む

「東京会議」参加シンクタンクのトップが感じた会議の意義と、今後の可能性

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ポピュリストの出現を、民主主義を再度盛り上げる1つの契機に



MHI_4600.jpgジェームズ・リンゼイ
(アメリカ・外交問題評議会(CFR) シニアバイスプレジデント)


 

工藤:東京会議に参加していただいてどうですか。感想をお聞かせください。

リンゼイ:すごく良い会議で、特にこれだけの人材を一堂に集めて、運営も非常に滑らかに問題なくやっていたので、本当に良かったです。

工藤:昨日、会場もほとんど満員だったのですが、その最大の理由は、アメリカのトランプ大統領が世界の秩序に大きな影響を与えるのではないかと考える人達が、日本の中に多く存在することです。リンゼイさんは、それをどのように見ていますか。


トランプ大統領の外交政策がどうなるか、今後を注視し、学んでいくべき

リンゼイ:トランプ大統領を別に非難しているわけではないのですが、彼のお陰ではだけなく、言論NPOの方でまとめていたから、ここまでたくさんの人が会場に来られたと思います。確かに、トランプ氏が大統領になって、確かに彼自身も、「これまでと違うやり方で、違うことをやっていくのだ」と言っています。では、これをどうとらえたらいいのか、トランプ大統領を理解の仕方は、世界中でいろいろあるかと思います。

 トランプ大統領が、外交政策をこれまでの大統領を違うかたちでやっていくということは間違いないのでしょうが、ただ、改めて考えなければいけないのは、大統領になってまだ6週間しか経っていないということです。これからトランプ大統領の外交政策がどうなってくるかというのは、もっと出てくるしもっと学んでいかなければいけないということを、覚えておかなければいけないと思います。

工藤:日本も自由と民主主義を非常に重要視していますが、それがいろいろと不安定化している状況の中で、この理念、規範を守ることの意味をどう考えていますか。


民主主義が不安定になった原因とは

リンゼイ:確かにここ数年、特に先進国、産業国の中で、民主主義が不安定になってきていると言われています。民主主義といっても、それはオープンな社会であったり、法の支配であったり、その他にも発言の自由であったり、もしくは国民に政府を選ぶ力を与えられていることなど、いろいろあるところですが、特に数年前から不安定化している、これは2008年に端を発した経済後退によるところもあるのでしょう。他にも、政府に対して「我々が求めているものは違うのだ。きちんとやっていないではないか」というポピュリストが台頭しています。

 いろいろあるわけですが、慎重にならなければいけないのは、ポピュリストだからといって必ずしも民主主義から後退しているわけではないのです。逆に言えばポピュリストというものは、民主主義を再度盛り上げるための機会を与えているということであって、政府に「我々の痛みを感じてくれ」という声でもあるのです。

工藤:その課題にきちんと向かい合うことも大事ということですね。

リンゼイ:その通りです。政府の責任は、国民にきちんと応えていくことがありますから、米国でも日本でも西欧でも、政府は、国民が日々の生活で問題を抱えているのであれば、政府として対応していかなければいけないと思います。

工藤:私たちの東京会議は、その一歩を踏み出すために動いてきました。今回参加していただき、ほんとうにありがとうございました。


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